リュリュエル ☆ 爆誕の二十五
三百十一羽 ☆ リュリュエル、虹色!
「リュリュエル?
ワープしたのはいいんだけど?
わたしたちってさ……
なんで砂漠のど真ん中にいるの!?」
「ん〜〜〜? なんででしょう?」
「なんでじゃないわ!
あんたがエンジェルギフチュの効果がどうのって言ったんでしょ!
ねえ……ギフチュってあれよね?
やっぱりミーノちゃんがピンチなの?
でもここ砂漠よね?」
「ミーノ様な感じではないです?」
「ていうことは?
ミーノちゃんとわたし以外ってこと!?
あんた何人にエンジェルギフチュしてるのよ!?」
「ピ〜ピピ〜ピ〜♪
ん〜〜〜? なんのことでしょう?」
「すっごい汗がだらだらで目をぱちぱち!?」
「砂漠は暑いですね!
砂場でお城を作っちゃいましょうか!」
「作らんわ!
砂場って広すぎるわ!
ごまかし方が下手くそすぎるわ!
てっきり、わたしだけかと思ってたのにさ!
な〜んだ!
リュリュエルってば、女だったら誰でもいいのね!
なによ! いつもわたしばっかり気にしてさ!
ふん!」
「ふぃわわわ!?
涙がたまっちゃってます!
フィス?」
「なによ!(もう! この気持ちってなんなのよ!?)」
「ん〜〜〜?
誰でもじゃないですよ?
もちろんフィスエルだけですよ?
なんといっても!
真ん中のくちびるはフィスエルのものですからね!」
「ひゃわ!?
だ、だから!
真ん中ってなによ!」
「真ん中は真ん中です!
ボクの真ん中くちびるはフィスエル以外にはあげません!」
「くちびる、くちびるって、何度も言うな〜〜〜!」
「ん〜〜〜? もう一回しちゃいます?」
「ひう! もう一回!?
寄ってこないで!?
顔が近い!
あの!
なんで肩をつかむの!?
や…………
(い、息が!)
待って!
で、ででで、でも!
エンジェルギフチュの効果は切れてないわよね!?
(ちょ、ちょっとだけ……ふにってしなかった!?)」
「そんなの関係ないですよ?
ボクはしたいですよ?
しちゃダメです?」
「〜〜〜〜〜〜!
ダメっていうか!
その、あの、だって!
わたし、わたし……
も〜〜〜〜〜〜!
そんなことより!
いつまでも砂漠にいても暑いだけだし!
そうよ! 暑いのは砂漠の陽射しのせいよ!
早くいきましょう!
どっかいいとこないの!?」
「ボク、しょんぼりですぅ〜〜〜。
見渡す限りエンジェリックア〜〜〜イ!
とってもと〜〜〜ってもだだっ広い!
灼熱と極寒の砂漠、ディザーディザートですね!
見てください! あれはきっとオアシスです!」
「オアシス! さっそく行くわよ!
(〜〜〜〜〜〜〜〜! 火が吹きそう!)」
「輝く砂の丘がいくつも重なった先に、水辺があるわ。
とっても背の高すぎるラウンドパームツリーがまるでドームになって、清涼感ある虹色ミストを振りまいてる。
空飛ぶ貨物船や魔法の絨毯が行き交って立派な貿易港に軍港まである……」
「ずいぶん立派ですね!」
「あっちの区画は商業地としてにぎわってそう。
砂漠のど真ん中なのに、とっても過ごしやすそうな緑豊かで発展した憩いの都市じゃない!
行ってみましょうよ!
あ! その前に……ほら、わたしの羽でアミュレット作ったの。
あんたがまた行方不明になっても安心よ!
ほら、手首につけてあげるから、もうなくさないでね?」
「ふわ! うれしいですぅ〜!」
「ひゃわ!? いちいち抱きつかなくていいから〜!」
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