二百七十四羽 ☆ リュリュエル、豊満!

「ん〜〜〜? 暗黒フェンリル闇魔獣ですから、お名前は略してアーヤちゃんではいかがでしょう!」


「なんかかわいく略してる!?

いくら食べ方がかわいくても危険なことには変わりないでしょ?

また暴れ出す前に殺っとく?」


「フィスエル、お顔が怖いです!」

「おおう……ある意味、一番怖いな!

さすが俺の師匠!」


「ぐるるるる!」

「なによ! やる気!

がるるるるる!」


「どっちが暗黒魔獣!?」

「フィスエルが怖い顔するから怖がってますよ!」

「わたし!? だっていくらかわいく見えても、元は暗黒魔獣の獣人じゃない!

わたしだってそんなことしたくないわよ!

ふん!

……言葉が通じないのかしら?

こういうときケモナがいてくれるといいんだけど」




「種まき少しだけ終わりましたわ。疲れたので休憩いたします」

「あら、おつかれさまね」


「マオ様! 膝枕して、なでなでいい子いい子してくださいませ!」

「砂魔法でクッション作って、すでに寝転がってぽすぽす叩いてる。

なかなかいい根性してるわね?」


「それはさすがにせ〜まちゃんが黙ってないと思うけど?

あれ? アイちゃん、なんか雰囲気変わった?」


「わふ!」


「そうですか?

こちらの獣人のお嬢様はさっきの?

リュリュエル様にずいぶんとかわいらしくなついてますわね?

ほらほら、お手」


「そんなことして咬みつかれるわよ?」


「がう!」

「あらいい子ね♪ おててぺろぺろするの〜♪」

「わお〜ん!」

「きゃあ!?」

「アイちゃんの無駄乳に顔をうずめてたぷたぷ懐いてるわよ!?」


「うらやま……じゃない、かわいい! じゃあ俺も! お手!」


「がふ!」


「……咬まれた。ちょっと痛い」

「マオくん、とっても悲しそう。

わたしたち直接戦ってたし、嫌われちゃったかしら?」


「わふわふ♪ まま〜♪」


「しゃべった!

アイちゃんがママ? やっぱり母乳が、じゃない母性が必要なのかな?」


「あらあら。ですが、わたくし年増な独身!

マオ様、正妃にしていただいて母乳を……じゃない。

母性に目覚めさせてください!」


「飛躍がすごい!

ところでさ、俺が言うのもなんだけどアイちゃんの……やっぱり雰囲気変わったっていうか、その、それさ、縮んでない?」


「それ? なんでしょう?」

「え〜と、ほら、そのおっきい母性」


「母性? ぱっと見た感じじゃわかんないわね?

エンジェルアイ!

あ! アイちゃんの無駄乳がたしかにちょっとだけ小さくなってる!」


「え!? なんでですか!?

わたくしの聖域が!? アイデンティティが!?」

「魔族のくせに聖域ってどういうこと!?」


「ん〜〜〜? どうやらボクが授けたスキルの影響でしょうか?

急激なレベルアップの代償として、マオ様は痛みを伴う大怪我副作用でしたが、アイ様はお胸にダメージを伴うみたいですね!

しっかりお乳にいい栄養を摂取して、育乳してあげればちゃんと元に戻るみたいですよ?

無駄に豊満なアイ様だからこその成せる技!

砂上の楼閣がごとく積み上げる、無駄乳たっぷんで砂魔法使いな美魔女宰相勇者様! ここに爆誕!」


「心が辛いですわ!」

「どっかで聞いたフレーズ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る