二百七十三羽 ☆ リュリュエル、骨付き!
「ああ。ドライアドの精霊姫シャオが言ってたから間違いないんじゃないか?」
「アイちゃん、魔族のくせに聖関係の知識もあるの?」
「当然です! 魔の研究をするからには聖なる研究も少しはやってます!
この種を森のあちこちに植えれば、成長とともに聖なる力で浄化できるでしょう!
なんとかなるかもしれません!」
「じゃあ、みんなで手分けして種まきね。
種まきってレベルの大きさじゃないから、すっごい手間と時間がかかりそう」
「それなら、激かわアイちゃんサンドゴーレムの出番ですわね!」
「自分で激かわアイちゃんていう?
とうとう頭ぱあになっちゃった!?」
「フィスエル様、いろいろわたくしに厳しいです!
だって、マオ様からちゃん付けでお呼びいただいてうれしいんですもの!」
マオ様のお姫様抱っこから離れて、
たふたふお胸もふりふり♪
構築される幾何学魔法陣!
「我は要 我が虚いを砂の依代に宿せ
サンドポゼッションゴーレム!」
ばったん!
ごっちん!
「アイちゃんが倒れた!
倒れるスピードが早すぎてフォローできない!」
「あ〜あ、たんこぶが四段になってる。
ほんとにぱあになるわよ?
アイちゃん砂人形が列になって、どんどん種を運んでく。
しっかり等間隔に穴を掘る係と、世界樹の雫をふりかける係と役割分担してるわ。
全部まかせて大丈夫そうね。
ところでさ、この暗黒フェンリル闇獣人どうするの?
すっごい歯ぎしりしながら、しっぽに丸まってぐうすか寝てるけど」
「闇の衣がなくなってすっぽんぽんですね!
禍々しさがだいぶ少なくなっています!
黒と銀の長髪ボサボサ、太くて長〜いしっぽ、狼お耳がぴんぴん!
とってもワイルド野生が可愛い、お子ちゃま女の子獣人ですね!」
(もふもふしっぽで大事なところは見えてませんよ!)
「たしかに寝てるぶんには、もふりたくなる無害そうなもふもふ獣娘。
寝息と歯ぎしりするとき、闇のもやが口からもれ出てるんだけど?
やっぱり危なそうね?」
「わふ? むっふ〜〜〜〜〜!」
「寝ぼけたおめめでのび!
アニマル可愛いですぅ〜!」
「がるがる! がうぅ〜〜〜〜〜〜!」
「しっぽを股にはさんでめっちゃうなってるし。
怒ってるっていうか、怖がってるのかしら?」
「ワンちゃん怖くないですよ〜。
ほ〜ら、とってもおいしいコッコー村のフライドチキンと、ヒレカツさんのドラゴン骨付きリブですよ〜」
「わふ? わっふ〜〜〜♪」
むしゃむしゃがつがつぺろぺろぺろ♪
「驚愕の事実!
かわいいてふてふの凶悪顔よりも、凶悪な暗黒フェンリル闇魔獣獣人の食べ方の方が一億倍かわいい!」
「わふ!」
「ふわ!
くんくんすりすり!
しっぽがくるんとボクに巻きついてかわいいです!
おなかいっぱいですか? いい子いい子!」
「わふ♪」
「いつまでもすっぽんぽんでは恥ずかしいですし、暗黒フェンリル闇魔獣じゃ呼びにくいですね?
全なる父よ! あれれ? カナリコーダイ国のときと同じで、天界の衣構築システム<聖衣創造召喚機構>にアクセスできませんね?
それでは、聖力MAX! 衣を一から創造しちゃいます!」
「なかなかワイルドで可愛い衣じゃない!」
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