二百七十一羽 ☆ リュリュエル、奔流!

「ふぅわ!

二人のシンクロな動きがお見事!

暗黒フェンリル闇獣人の野生で俊敏、凶悪な鉤爪攻撃を攻防一体な連携で圧倒していますが!?

お二人とも攻撃をよけてください!」


鋭い牙の咬みつき!

狼の爪による引き裂き!

身長よりも長くて太いしっぽによる打撃!

すべての攻撃が闇の奔流をまとっています!

ときおり闇の触手が伸びに伸びて二人を襲う!


「ぐあ! なんだこれ!? 攻撃されたところから闇がまとわりつく!

頭が!?」


「うそ!? なによ、この感情!?

こんなこと考えたくない!

リュリュエルったらいつも思わせぶりなことばっかりで憎い!

ほんとはわたしのこと、どう思ってるのかはっきりしないとすねるわよ!

ひゃわ!? そんなこと考えてないから!」


「お二人ともどうしちゃったんです!?」


「頭の中に憎しみや殺意がわいてくる!

どんどんどんどん!

うわあああああ!!!」


「いや! こんな気持ち、やだってば!

きゃあああああ!!!」


「やっぱりです! リュエルから聞いたとおりのことが!

このままじゃ憎悪に飲み込まれちゃいます!

これ以上、闇に触っちゃダメです!」


「「そんなこと言ったって!?」」


暗黒フェンリル闇獣人の攻撃を必死に防御する二人!

体は子どもな獣人なのに狼の爪や牙、身長の二倍はありそうで重たそうなしっぽの打撃が強力です!

さらにマオ様とフィスエルにまとわりつく憎悪の闇!


「ふぃわ!? お二人のおめめが危険で危ないです!?

なにか手は!?

…………

それでいってみましょうエンジェ〜〜〜ルギフト!」


マオ様の背中にくくりつけられた、てふてふちゃんのまゆに降り注ぐ光のシャワー!

ぱりっと割れて!


「「おはよ〜、おなか〜、すいた〜」」


「ぺりぺりっとまゆがやぶれて、中からてふてふちゃんがなんと!

お二人です!」


「「ん〜? やみやみ〜、おいしそ〜」」


「てふてふちゃん!

スキル<果てない食欲 あふれだす無限てふてふぱうだ〜>を授けました!

存分に食べちゃってください!」


「「わ〜い、たべる〜〜〜」」


「てふてふたちが俺の闇を食べてく!?

憎しみが消えた!

すっきり!」


「わたしの闇もあっという間に食べつくして、てふてふとてふてふが暗黒フェンリル闇獣人に向かったわよ!

さわやか!

って、マオくんの口ぐせがうつったじゃない!」


暗黒フェンリル闇獣人の攻撃をよけながら、がぱっとぱくぱく!


「ぐが!? ぐがああああああぁぁぁ、ぁぁ、ぁ……」


「禍々しい闇の奔流を二人のてふてふちゃんに食べつくされて!

暗黒フェンリル闇獣人さんがばたりと倒れちゃいました!

魔族も引くほど凶悪顔で、闇でも魔でも食べつくす!

腹へり伝説、暗黒魔妖精こなこな勇者様! 爆誕です!」


「「わ〜い。もっと〜、たべる〜」」


「てふてふがどんどん黒い光を食べてく。

これさ、てふてふがいなかったらやばかったよな?」

「ほんとね。もしかしたら全滅してたかも」


「せ〜まちゃんも残ってる黒い光を見つけては斬り続けてるし……どういうことなんだ?」


「アイちゃん砂人形もがんばって、残った魔獣もどんどん倒していくわね!」

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