二百六十九羽 ☆ リュリュエル、魔法!
「わかった! やってみる!
ふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
フィスエル直伝!
「さすがプロフェッショナルダンサーのマオ様!
足元の悪い森林の中でも華麗なダンスステップで魔獣の攻撃をかわしながら拳の舞!
絶大なパワーで一撃粉砕!
ステータス限界突破で身体能力がとんでもなくとんでもないです!」
「おお!? けっこういける!?
舞い踊る拳ってかっこいい!?
踊って殴って肉弾戦だ!」
「それ、決め台詞!?
ふん! やるじゃない!
わたしも負けてられないわね!
天界とのつながりが切れたおかげでエンジェルリミッターの制限がなくて助かるわ。
巨大でどんなに硬い魔獣でもわたしの拳には関係ない!
見せてあげるわ!
フィスエル流奥義! 天勁拳!」
凶悪な質量から繰り出される牙と爪を、流れるように柔らかによけながら!
「ふぃわ!?
まるで流水! 流麗な動きから、まるで威力のなさそうな掌底がぽすんとか〜るくヒット!
その姿はまさに美麗!
軽い攻撃からは想像もつかない強烈な衝撃に力なく魔獣が倒れ伏します!」
「わたしの天勁拳は内部から破壊する!
どんなに頑丈で巨大でも関係ないわ!
…………び、美麗って!?
あの! だって!
ひゃうぅ〜!」
「さすが、魔王マオ様! なんてりりしいお姿!
一刻も早くつのをつけてほしいですわ!
わたくしも続きます!」
「マオくんだけほめるの!?
師匠のわたしは評価なし!?
さすが恋は盲目だわ!」
たぷたぷお胸もふりふり♪
構築される幾何学魔法陣♪
「我は要 無限の砂粒よ 震えるほどに恐れよ 斬り裂く砂刃
サンドバイブレード!」
「宙に生まれた大量の砂が高速振動! 砂の刃が行ったり来たり無限に斬り裂いちゃってます!」
「攻撃魔法も美魔女なアイ・ジンジャーにおまかせくださいですわ!」
「美魔女って自分で言う!?
まだまだ数えきれないくらいにいるわ!
砦に行かせないようにしながら各個撃破するわよ!」
カンカンカンカン!
鳴り響く鐘の音!
住民さんたちの悲鳴!
「ふぃわ!?
魔獣たちの群れが砦を襲おうと向かっちゃってますよ!
ボクたちのことを無視してます!」
「マオ様! わたくしの魔法ではあれだけの数を対処できませんわ!
騎士隊も対応をはじめているようですが、最恐暗黒魔獣の大群を相手にとても守りきれるものではありません!
このままでは民に犠牲が!」
「アイちゃん! どうにかしないとだな!
でも、せ〜まちゃんをいくら呼んでも戻って来ない!
なんであんなに黒い光を追いかけては斬ってるんだ!?」
「森に散らばった黒い光のせいで大量発生する魔獣の数が多すぎるわ!
わたしたち三人だけじゃどうしようもできないわよ!」
「ここはいよいよボクの出番ですね!
エンジェ〜〜〜ルギフト!」
アイ様に降り注ぐ光のシャワー!
「これは! わたくし、スキルを授かったんですか!?
さっそく砂魔法で撃退いたしますわ!」
「今回はスキルじゃありませんよ!
ふっふふ〜!
ボクもたくさんの勇者様との大冒険を経て、成長しちゃってます!
アイ様の経験値ダブルカンスト、レベルダブルMAX!
さあ! パワーアップした魔法を放ってください!」
「えええ!? ダブル!?
それってまさか……俺の倍!?
もっとすごくない!?
いやな予感しかしないんだけど!?
やばくない!?
アイちゃん、待って!?」
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