二百六十七羽 ☆ リュリュエル、魔妖精!
「「てふてふ(様)〜!!!」」
「いないわね?
もうだいぶ深くまで進んだけど、もっと先に行っちゃったんじゃない?
洞穴の中も苔むしていてツルだらけ。
灯火きのこや闇苔が青白く光ってる。
それにしても寒気がするくらいに不思議な感じのする場所ね?
魔属性が強いけど、聖属性も少しだけ感じられるわ。
それによく分からない気配も……なんだか混沌としていて怖くない?」
「ここは一体なんでしょうエンジェリックア〜〜〜イ!
ん〜〜〜? よくわかりませんが……
妖精界や、精霊界、幽界などよりもはるか深く、世界の根源に関わるようでいて原初の混沌たる力場のようです?
闇、絶望、憎悪など……
よくない感情のようなものが混じり合っていて……
魔を感じるなにかが集まっちゃってます?
………………
はい。わかりました。なるべく早く帰ります」
「リュリュエル? いま誰かと話してた?」
「ひとり言です!
てふてふちゃんを発見しだい脱出しちゃいましょう!」
「ふ〜〜〜ん」
「あそこが最奥でしょうか?」
「なにあれ!? たくさんの怪しい黒い光がただよっていて、深い闇のようなものが不規則に渦巻いてるわよ!
「渦から黒い光がぽこぽこと増えちゃってますね!」
「てふてふ様がいらっしゃいます!」
「わ〜い、おいし〜」
「黒い光をどんどん食べてるぞ!?」
「わたくしの知識に間違いがなければ、やはり、てふてふ様は伝説といわれる暗黒魔妖精の一種かと思われます!
通常の食物よりも魔に属するものが好物とか!
逆に聖属性は好まないそうです!
暗黒魔妖精の名の由来は見た目からによることも大きいようですが、一説によると魔に導き、魔を浄化する聖なる存在とされていることだからだそうです!
いままさに、その伝説を目撃してしまいましたわ!」
「白い狼! 聖獣、食べたときにまずいって言ってた!
だからこんなに凶悪顔!?
もしかして魔獣にやたらと出会う原因の一つはてふてふ!?
魔獣をあれだけよろこんで食べる理由がわかった気がする!
ところでさ、てふてふが食べられるってことは触っても大丈夫なの?」
「触っちゃダメです!」
「わ! リュリュエルが珍しくすごい剣幕!
わかった。触らないでおくよ。
でも、ふよふよ動いてるからそのうち触っちゃいそう!」
「それでは魔術による結界を張りましょう。
このわたくしと
我は要 我の認めぬものを拒絶する 我らを護る堅固な砂盾となれ
プロテクトサンドシールド!」
先端にさらさら砂の入った透明な球体が施されたロッドをふりふり呪文の詠唱!
たぷたぷお胸もふりふり♪
構築される幾何学魔法陣!
アイ様の周囲に生まれる砂の壁!
「ふぃわ!? マオ様とアイ様だけ残って、砂壁の外側に押しだされちゃいますよ!?」
「アイちゃん!?」
「あら? これは失礼いたしましたわ。
うふふふふふふふふ♪」
「うふふじゃないわ! 黒いのがぶつかる!
早くわたしたちも認めなさいよ!」
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