二百五十八羽 ☆ リュリュエル、桃源郷!

「ふっ! 俺は近接戦闘は好まん!」


二人の猛攻に羽をはばたかせて距離をとるヤミエル!


「俺に近づくもの皆すべて! 燃やしつくすのみ!

喰らえ! 右腕に宿る隠された力、地獄の業火、猛華炎!!!」


ヤミエルの右腕から放たれる、猛々しく燃え盛る地獄の黒炎華!


「「やば! 拳法家の暗器をとくとごらんあれ♪

大扇香の舞、パッフュ〜ムウインドウォ〜ル♪」」


「ふっわ〜! フレグ姉様のたぷんな異次元お胸と、ランス妹様のちょっとぺたんな異次元お胸から暗器!

お二人とも、ピチッとチャイナなお胸の谷間から、体よりおっきな扇が出てきました!

どこに隠していたんでしょう!?

扇な香りの舞から生まれた風壁が、燃える炎を鎮めて散らしています!」


「「私たちのエンジェルバッグはチャイナな胸元♪」」

「どんだけやばい地獄の炎を召喚しても♪」

「アロマな香りでリラックスな抗炎症効果♪」

「あたらなければ意味がな〜い♪」

「「喰らえ必殺の香気功! 桃源郷二人舞♪」」


「お二人の呼吸と打撃から甘い桃色な香りがただよってきそうです!

しなやかで見とれちゃうほどの息ぴったりな二人舞が綺麗!」


「ぐっは〜〜〜!? まるで桃源郷なユートピア!?」


空中で吹き飛ばされるヤミエル!


「お、おのれ! なんという攻撃力! 体が!?

香りな精神攻撃と物理攻撃による合わせ技か!

くっっっ!!!

胸やら脚やら強調しまくりおって!」


「ヤミエル真っ赤!

実はお色気が一番に効いてそうですね!

あれれ? ミャミュウ様のときは大丈夫でしたよね?」


「ぺったんがすぎるものに色気はない!」


「「わ〜! チャイナな胸元やスリットが気になるんだ♪

純情♪ 天使で悪魔な色香も素敵でしょ♪」」


「ほらチャイナキック!」

「くっ!?

隙間から見えてはいけないものが!?

ぬ!? 見慣れたふくらみが!?

もしや、貴様!?」


「ぺろ♡ ばれちゃった!

私、ランスは妹な男の娘で〜〜〜す♡

でも、可愛いでしょ?

ほら、キュートでチャイナな攻撃はいかが!」


「くっ! 男の娘だと!?

ぺったんすぎない胸があるのはなぜ!?

こうなっては封印の炎か洗脳術を!」

「ですが、ブレインウォッシュはあんまり使いたくないですよね?」

「その通りだ。どちらも行動不能のリスクがある!

くっっっ!?」


「「ほらほらもう一度♪ 桃源郷二人舞♪」」

「ぐああああ!?」




「ヤミエル、大丈夫ですか?」


「……………はっ!?

蹴り飛ばされた俺が、お姫様抱っこだと!?

お、おおお、おのれ! 女に抱えられるとは、なんという辱めを!?

おろせ!」


「いいんですか? ボクはもうちょっと、このままでもいいんですよ?」


「ぶふっ!?

き、ききき、貴様!? や、やはり俺のことが!?」


「真っ赤になって、ヤミエルかわいいですね!」


「ふ……」

「ふぃわわわ!? ヤミエルのボディから魂が抜け出ちゃいそうです!?

消滅しちゃいます! 戻ってください!」


「ねえ、フレグ。なんか急に帰りたくなってきたんだけど」

「ランス。私もおんなじ」

「「彼氏、ほしい! イチャイチャしたい!

見せつけてんじゃないわよ!

竜巻旋風刃の舞! ファンファンパッフュ〜ムトルネ〜ド♪」」


ヤミエルをポイっとうしろに!


「でたらめ!? 俺をかばって盾に!?

くっ!?」


かまいたちをともなう竜巻!

扇の風刃による二人の連撃がボクの体を斬り刻もうとします!


「ふぃわあぁぁぁ、ぁぁ、ぁ。

なんともないですね! 無傷!」


「「「なんともないことあるかあああ!!!」」」

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