二百五十七羽 ☆ リュリュエル、潮吹き!
「なんてことしてくれたっちゃ!」
「でも、アホ様が元気になったみたいちゃ〜よ? ふひん?」
「フレグと!」
「ランスを!」
「「解放しなさ〜〜〜い!」」
ズドドドドドドドドド!
ボクたちをがっしり捕まえたまま、アホ様の体内をきのこ走りで駆けるきのこさんたちとキンキン!
「逃がさないっちゃ!
どんよりしていた空気が変わって、聖力が戻ってるっちゃ!」
「はい!
ボクを抱えてるナーメ様とメーコ様!
ちょっとお耳をいいですか?」
ごにょごにょごにょ
「それならもう大丈夫っちゃ!
お前ら異物は体内から排除っちゃ!」
「「排除ってなによ!?」」
「協力した俺たちもか!? どこに連れて行く!?」
「ここは……気道です!
これはもしかすると、もしかしますよ!」
肌で感じる空気の流れ!
肺からとんでもない勢いで生まれる空気圧!
ぶっしゃあああああああああああああ!!!
ボクたちとマイコニドさんたちが!
「い〜やっほっう〜〜〜!」
「「きゃあああああああ!」」
「ぬおおおおおおおおお!」
「「あっはっは〜ちゃ〜」」
「盛大スプラッシュな大脱出!
くじらの潮吹きですね!
アホ様の体内から大空に吹き上げられて、太陽がきらめくほど虹がかかってます!
皆さんご存知ですか?
くじらさんの潮吹きは、海水を噴水のように穴から吐き出しているのではなくて!
くじらさんの背中にある閉じた鼻の穴の辺りにたまった海水が、吐き出された息で霧のように吹き上がってるんですよ!」
「それもティーチエルの教えか!? 豆知識はいら〜ん!」
「ふひゃひゃ〜! ふひん!」
アホ様の背中にぽてんぽてんと転がりながら着地するきのこさんたちとキンキンが、鼻の穴から体内に戻っていきます!
「「しょっぱい!」」
「外に出たからって!」
「殺ることは同じよ!」
「「覚悟するといいわ!」」
「ふ! 漆黒の闇! フォーリンエンジェルのヤミエル!
貴様らごとき上級天使に……悪魔に?
どっちだ!?
たかだか香り!
密閉空間ではいざ知らず!
この広い空では大したことはできまい!
ゆえにやられはせん!
覚悟するのは貴様たちだ!」
「オレんたちはアホ様の体内に避難してるっちゃ!」
「勝って〜ちゃ〜! ばいば〜い。ふひひ!」
「「ほんとにそう思う?♪」」
「フレグ! 行くよ♪」
「ランス! オッケー♪」
「ふ! 貴様らなぞ、俺一人で十分!
見ていろ、でたらめ天使!」
「はい! ボクは戦うのはめんどいので見学してま〜〜〜す!」
「ぶふっ!? そこは共闘を申し出るところでは!?
だが、確かにでたらめの戦う姿は見たことがなかったような?」
「「よそ見なんて余裕ね!」」
「ぐはっ!? 拳打に蹴りだと!?
香りによる精神系ではなかったのか!?
まさか貴様ら、シューティエル同様の筋肉バカか!?」
「「!? 筋肉バカってなによ!」」
「これだから精神系は!」
「チャイナな武術は!」
「スラリとしまって美しいのよ!」
「「見なさい! 香と武を極めた技を♪」」
いくわよ!!!」」
チャイナドレスな肢体が大空に舞う!
ヤミエルをはさんではじまる二人の猛攻!
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