二百四十四羽 ☆ リュリュエル、金貨!

「あわを解除しても止まらないんじゃないかい!?」


「大丈夫!

頭にスキルのことが浮かんでくる!

スキル<心に宝 想いが渦巻く 愛の激流 止まらない愛の渦潮>!」


ズズズゴゴゴゴ〜〜〜!!!

ぎょえぇ〜〜〜〜〜〜!!!


「ミーノ様のたっぷんな胸の谷間から!

渦が巻いて巻いて、激しい渦潮の嵐!

メイルシュトロ〜〜〜ムな大渦潮が神殿の壁をあちこち突き破って!

なぜだかたくさんのテンテンだけを渦に巻き込んで流し出しちゃいました!

激流が止まらない、とんでもないパワーです!」


「「た、助かった〜」」

「「「うえ〜〜〜」」」

「きゅ〜」

「皆さん、とっても気持ち悪そうですね!」


チ〜ン!

コロコロコロコロ


「ん? 崩れた壁からコインが転がってきたわよ?」


チン! チ〜ン!


「またじゃないかい?」


ジャラ!

ジャラジャラ!

ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ!!!


「金貨が流れてくる!?」

「何これぇ〜〜〜〜!?」


「ふぃわわわわわっわわわ!?

壁の向こうから、黄金に光り輝く金貨の大洪水です!

まるでピンボールなジャックポット!

大フィーバー大当たりです!

さっそくエンジェルバッグにほくほくしちゃいましょう!」


大喜びな船乗り幽霊さんたち!


「お、お宝の山! 金貨だけじゃない!

王冠や剣! 貴金属に装飾品がたくさんじゃないかい!」


「どうやら隠し部屋のようですね?

ぼろぼろですが、天蓋カーテンや装飾がまるで巨大なベッドルームです!」


「金貨の山……

うずうず……心がうずうずする!

この金貨はミーノのベッドにする!

はあ〜〜〜♡

心がキュンキュン! 安らぐ〜〜〜!!!」

「きゅ〜〜〜!!!」


「わたしのミーノは光り物が大好きなカラスかい!?

何をアホなこと言ってるんじゃないのかい!?」


「ふぅわ! ミーノ船長とオルカくん、船乗り幽霊さんたちが金貨のベッドで、ジャラジャラくるくるごろごろ転がってますぅ〜!」


「幽霊がごろごろ……みゃああああああああ!

気絶してる場合じゃないわ!

そういうリュリュエルこそ、バッグに金貨をざっくざっく詰め込んでわよね!?」

「てへぺろ!」


「しかし、なんて量だい。

これだけあれば、王立海軍艦隊を造り直せて、さらに増強できるんじゃないかい!」


「だめ! これはおじいちゃんの宝!

だからこれは、後継者のミーノの宝!」


うんうん、うなずく幽霊さんたち!


「あ! ラメール、これって人魚の財産だったりする?」


「すっげぇ、キラキラァ。

俺たち人魚はこんな金貨使わないしぃ、いらないよぅ。

好きにしても誰もなんにも言わないよぅ。

それより俺の彼女になってぇ!」


首を横にふる幽霊さんたち!


「ん! 考えないけど考えとく!」

「きゅ!」

「目がキラキラ光って金貨になって輝いてるぅ!

絶対、考えてないよねぇ!?」

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