二百四十一羽 ☆ リュリュエル、海龍!

「なんだい、あのじいさんはこんなとこでも有名なんじゃないかい?」


オルカくんとごあいさつする人魚さんたち!


人魚「で? あんたは? もしかしてじいさんの孫娘かなんかか?」


「そうよ! ミーノは大海賊ミジウノ・ハシャウの後継者!

海賊船船長のミーノ・ハシャウよ!

きっといつか! 海の覇者になって見せるんだから!

それでね! おじいちゃんの地図を解読してここにきたの!

宝はどこ!? 知ってる!?」


人魚「宝って、そんなもんはないぞ?

見てのとおり、ずいぶん前に朽ちた海底神殿だ。

大昔には宝を守る伝説の海龍もいたって話しだけどな。

俺たちと仲良くなったミジウノに協力して、数十年前から神殿を調べはじめてからというもの、いまじゃ俺たち海の生き物のすみかだよ」


「宝を守る伝説の海龍!

ドキドキワクワクですぅ〜〜〜!」

「調べてたって、おじいちゃんは何かを見つけたの!?」


人魚「いや? う〜ん? どうだろな?

それっぽいのを見つけたって話しは誰も聞いてないと思うが。

だが、もう用はないって、ずいぶん昔に立ち去ってからは、ミジウノ一度も戻ってないぞ?」


「おいおい! むだ足じゃないかい!?」


「そんなことない! きっと何かあるよ!

神殿を調べてみてもいい!?

二人とも、いいかげん離れろ!」


人魚「なんにもないと思うぞ?

まあ、俺たちに何かするってんじゃなければ、好きにすればいいさ。

おい! ラメール! お目付役として案内してやれ!」


「えぇ!? 俺がぁ!? なんでぇ!?」

「お前、彼女欲しいって言ってたろ?

ほら美少女が三人もいるし、いいだろ!」


「「「美少女だなんて〜〜〜♡」」」

「きゅ〜♡」


「オルカも!? 三人そろって、まんざらでもないねぇ!?

一人明らかにごっつい! 少女じゃないよねぇ!?

でも確かにすっごい美人でかわいいぃ!

俺、もしかして人族と翼人の彼女がいっぺんにできるのぉ!?

ハーレム見込みありぃ!?」


「「「ないです!!!」」」

「きゅ!」


「即答!? 希望ゼロ!?

白水晶シャチにも断られたぁ!?

やる気出ないよぅ!?」


「あはは! ラメールだっけ?

いきなり彼女は無理だけど、まずは仲良くならないとね!」


「ボクには心に決めた人がいますから! ぽっ!」


「わたしは魚類は無理じゃないかい!」


「魚類じゃないからねぇ!? ちゃんとあるものはあるよぉ!?

内蔵式だけど見るぅ!?」

「内蔵式!? 魚類のを見せんでいいわ!」


ばっちん!


「いきなり叩くなんてひどい!

魚類じゃないのにぃ!

じゃ、じゃあ。ミーノだっけぇ?

友だちからよろしくぅ! 見るぅ?」


ばっちん!


「見せようとするな!

叩かれてあたり前!

うん! 案内だけよろしくね!」


「案内役としかみられてないよぅ!

でも、いっしょにいるうちに仲良くなれるかもしれないから、まあいっかぁ!

さっそく神殿の中を案内するよぉ!

行こうぅ!」


「「「お〜〜〜!!!」」」

「きゅ〜!」

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