二百四十羽 ☆ リュリュエル、危険!

「大体、シーバにも宝の地図を写させてあげたんだから、ミーノについてこなくてもいいじゃない!」


「そうは言うけどねえ……

この地図、ミーノ以外に誰が解読できるんじゃないかい?

子どもの絵よりひどいって言ったら、子どもに失礼じゃないかい?

そんなことより、ほかの場所を探しに行こうじゃないかい?」


「ん〜〜〜?

本当にここじゃないんでしょうかエンジェリックア〜〜〜イ!

ややや! この突起は誰かの手によって造られたもののようですよ!

海の底まで建造物が広がってます!」

「「ほんと!?」」


「海の中にダイビング! 潜っちゃいましょ〜〜〜!!!」




「ふっわ〜〜〜おぅ!

海の底に眠る海底神殿!

なんだか淡く輝いてますが、ところどころ崩れていて悠久の時を感じます!

どっぷり人魚姫さんのシンカーイトシーほどではないですが、人魚さんたちの住まうおうちがあります!

海底神殿に根付く虹色サンゴや色とりどりなお魚さんたち、海のモンスターであふれていて、まるで海の牧場!

共存共栄な、なんていう絶景でしょう!」

(シンカーイトシーは29羽を参照してください!)


「シンカーイトシーだって?」

「ふえ? ご存知ですか?

違う世界の人魚さんの都ですよ?」


「いや、なんとなくじゃないかい……

へー、違う世界なんてあるんだね。さすが天使様、物知り、博識だねえ」


「そんなにほめられたら照れちゃいますぅ〜」


「二人でなに話してるの?

ここにおじいちゃんの宝があるのね!

ていうか! シーバなんかついてこなくていいのに!」


「なんかって、ひどいじゃないかい!

天使様のギフトで作ったあわあわダイビングスーツで息ができるようにしてあげたのに!

でなきゃ、海の中まで泳いで来れなかったじゃないかい!?」


「それはそうだけどさ!

シーバってすごいね。スキルもらったばかりなのに、すっごい使いこなしてるし。まるで、使い慣れてるみたいね!」


「わたしのミーノがほめてくれてる! うれしい!

一応、艦隊司令官やれるくらいには有能じゃないかい!

だからデートして♡」


「い〜や! だから、あんたはついてこなくてもいいっていうの!」


「約束を守る気ないし!

わたしだって司令官として王様の命令を達成しないといけないのに!

わたしのミーノの人でなし!」


「だったら、人の体を上から順に丁寧にまさぐるな!

ひゃん! やめんか! 往復するな!

リュリュエルまで手をわきわきするな!

二人とも、男だったら張り倒してるとこよ!」


「もう張り倒されてるじゃないかい?」


「は〜い。今のボクは女の子で〜〜〜す!

怖いからって男の子が女の子に抱きついたら危険ですからね!」

「今のってどういうこと!?」



人魚「貴様ら! 人族が俺たち人魚の村になんのようだ!

事と次第によってはただではすまさん!」


「ふぃわ!? 人魚さんたちが三又の槍を突きつけちゃってきてますよ!?」


「待って! おじいちゃんの地図を追ってここまできただけなの!

あなたたちには何もしないわ!」


「きゅ〜!!!」


人魚「その白水晶シャチは……オルカじゃないか!

久しぶりだな!」


「きゅっきゅっ♪」


人魚「わかった、わかった!

そんなにすりついてくるなよ、オルカ!

じいさんて、もしかしてミジウノのことか!」

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