二百三十六羽 ☆ リュリュエル、発射!
「なんで船長のスタイル!?
船長はミーノ!
手下の格好になりなさいよ!」
「は〜い。全なる父よ、手下な衣を与えたまえ!
青白ボーダーで手下な帽子が、これはこれでかわいいです!」
「なんでコロコロと服を変えられるの!?」
「天使ですから!」
「天使ってそういうものなんだ?
ところで、リュリュエルだっけ?
さっきからなんでミーノのおしりをわしづかみにしてるのよ!?」
「自分で飛ぶのは慣れてますけど〜。
こんな小さなヨットでお空を飛ぶなんて怖いです!
しっかりつかまらせてください!」
「小さなヨットって失礼ね!?
怖いのはわかったけど……つかむなら、せめておなかにしない!?」
「わたしのミーノ! いまからそっちに行くんじゃないかい!」
「へ!? 飛んでるのよ! どうやって!?」
「こうやってじゃないかい!」
ドーン!
「ふぃわ!? 大砲からドッカンとシーバ様が発射されちゃって人間大砲です!
空飛ぶヨットな海賊船にドッカンと着弾!」
「危機一髪! けほ!
ミーノにぴったり♡ しあわせじゃないかい♡」
「口から煙だして黒こげでなに言ってんのよ!
大砲って、シーバほんとに人族なの!?」
「なんともないじゃないかい♪」
「ふざけんな! あんたデカすぎ! 狭いんだから降りろ!
シーバ、胸をまさぐるな!
リュリュエル、おしりをわきわきするな!
やめて〜〜〜!」
ぐいん!
「ふぃわ!?
ヨットがお空でかたむいてます!」
「きゃわん! た、倒れる!?」
海中からゴボゴボと!
海水が盛り上がってます!
「あいたたたた~」
「あの……そこは握らないでくださいですぅ~!」
「しあわせじゃないかい♡」
「え? あ! 違うの! わざとじゃないの! ごめんね!
きゃうん!? そっちこそおしりをいつまでもつかんでるんじゃないわよ!?
シーバも胸から手を離せ!」
「「え〜〜〜!!!」」
バッカン!
オールでボクたちを引っ叩くミーノ様!
「ふぃわ!?」
「痛いじゃないかい!」
「不満そうな声をあげるな! 海に叩き落とすわよ!」
「ふわ! 蹴らないでください〜」
「蹴られるのも悪くないんじゃないかい♡
なにかに目覚めそう♡」
「きゅ〜〜〜!!!」
「どうしたのオルカ!?」
「海がゴボゴボ、すっかり忘れてましたが!
海の中から怪物です!
あれはなんでしょうエンジェリックア〜〜〜イ!
とっても巨大なテンウェポンテンタクルクラーケンです!
略してテンテン!
8本の足と、イカ特有の2本の触腕に、剣や棍棒や斧などを持って攻撃してきますよ!
一説には貝の仲間であるイカさんが、貝の名残りを武器に適応進化させたと、天使予備校のティーチエル先生から教わったことがあります!」
「うにょうにょした感じが地図の絵と似てるかも?
おじいちゃんの絵が下手で微妙だけど、もしかしてこいつが伝説の怪物!?
オルカはこいつのせいで急カーブしたのね!
シーバ! こういうときこそ、あんたの出番でしょ!
さっさと攻撃しなさいよ!」
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