二百三十一羽 ☆ リュリュエル、触手!

「マオ! この触手やばいから触るな!

あたいの魔剣と聖剣なら斬れる!

はやああああああ!!!」


「攻撃の掛け声が変かわいい!

わかった! みんなを助けなきゃ!

魔族も人間も助ける!

魔剣スラ〜〜〜ッシュ!

いたたたた!?」

「てふてふぱうだ〜」

「すっきり!」


人族の兵士たち「ま、魔王なのに、助けてくれるのか?」

「助かった!」

「すまない!」


魔族の騎士兵士たち「暗黒騎士殿が魔王!?」

「どういうことだ!?」

「まさか、引きこもりくそ無能王子から魔王位を譲り受けたのか!?」

「それはいい!」

「人族も助けるとは、なんという豪儀!」

「このお方なら、お仕えするのも悪くない!」


「俺のこと!?

なんかみんなして変なこと言ってる!

いろいろありすぎて混乱してるよね!?

それはともかく、この触手やばいぞ! どこからきてるんだ!?」


「マオ様! わたくし、闇のオーラを感知しております!

せ〜ま様! 交代を!


あ! でしゃばるな!


非常事態でございます!」


「二人ともケンカしないの!」


「ちっ! あたいもわかるけど、正確じゃねえし、しゃ〜ね〜か!

少しだけ譲ってやるよ!

ドライアドモードにコンバート!


マオ様! ついてきてください!」


「頼む、シャオ! てふてふ、行くぞ!」

「いくぞ〜」




「ひゃわ!? 触手なオーラが!

いや! 変なところにつっこまないで!

ひゃん! ひゃわ! ひゃう〜〜〜ん!

力が抜けるぅ〜」


「とんでもない数のオーラな触手で、ボクもフィスエルも捕まっちゃいました!

ふぃわ!?

そんなとこ、ダメです!

いや〜〜〜んですぅ〜〜〜!!!」


「あたいとマオにまかせろ!

マオ! 二人の奥義、ぶちかまそうぜ!」

「よし! いくぞ!!!」

「ホーリー!」

「デビルズ!」

「「ダンシングソード〜〜〜!!!」」

「てふてふぱうだ〜」


「うっわ〜〜〜おぅ!

踊るように舞うような二人の息のあった白黒剣閃が、殿下さんから暴走する闇のオーラを次々と断ち斬っていきます!」


「た、助かった……いろいろやばすぎよ!

オーラの触手に絡めとられていた、魔族に人族、天使たちが解放されていくわ!

じわじわ吸収されていたみたいだから、みんな生きてるわよ!」


「フィスエルが無事でよかったです!」


「ひゃうん! いちいち、抱きつくな!

殿下くんもぐったりしてるけど、無事みたい。

あの危険極まりないスキル……よくよく見れば面影も似てない?

わたしたちの時代に復活した古代の魔王……やっぱりあの魔王に間違いないわよね?

ねえ、リュリュエル?」


「ん〜〜〜? ボク、知っりませ〜〜〜ん!」

「あんたは〜〜〜!」



天使たち「魔法陣の核となる魔石は破壊した!」

「逃げるぞ!」

「人族も逃げなさい!」

「人族など気にするな!」

「特殊結界を持っていないものは即時撤退! 撤退〜〜〜!」

「神に逆らう魔族ども! 人族ともども滅びるがいい!」


勘違いしている魔族に人族たち

「新魔王様が我らを救ってくださった!」

「魔王が俺たちを助けてくれた!?」

「天使どもを撃退したぞ!」

「魔王様バンザ〜イ!」

「俺たち、もしかして天使に利用されていただけなのか?」

「やっぱりくそ無能王子なんかじゃダメだ!」


近衛騎士たち「変わり果てた殿下のこのありよう、とてもついていけぬ」

「まさか味方を襲うとは……」

「ヨウメ様も浮かばれぬ……」


「う、うう……みんな!?

あいつが魔王だって?

魔王は僕だ……ヨウメと一緒に魔王になるのは僕なのだ!

おのれ……勇者め!」

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