二百二十七羽 ☆ リュリュエル、混戦!

「皆さんが地面に激突しちゃいます!」

「ダメ! 間に合わない!!!」


「ウェポンスキル<愛すほど暴走 真実の愛の創造>!」


「一瞬です!

マオ様の腰でしっかりかまえられて黒光りするせ〜まちゃんが、いい具合に巨大化しました!

右に左にと、岩とがれきをはじきながら!

壁面に突き刺さって斬り裂きながら!!

皆さんを剣の腹で、ふわっと受け止めるマオ様!

とんでもない膂力があってこその芸当です!」


「間に合った!」

「マオくん、やるじゃない!」


地面に皆さんが降りたところで!

しゅるしゅる!

元のサイズに戻るせ〜まちゃん!


「痛くない!

攻撃じゃないから痛くないんだ!

よしよし! せ〜まちゃん、いい子いい子! ちゅっ♡」


♡♡♡♡♡


「でも、どうしよう!?

敵が押し寄せてるのに、ふにゃふにゃせ〜まちゃんじゃ、戦えないよ!?」

「ないよ〜」


「でっかくがんばったあとは、しばらくお休みですね!

ふぃわ!? ふぅわ!? ふぇわ!?

ボクも天使さんたちの数が多すぎて防御で手いっぱいです!」


「防御っていうか、攻撃に当たりに行ってるだけじゃない!?」

「だって、攻撃の数が多すぎるんですぅ」


「マオくん! なんとかがんばって!

わたしも奥義全開でいくわよ!」


「ぐわ!? 斬られた!?

はじめて受けた傷が人間からって、なんか悲しい!

でもこれくらい!

いつもの激痛大怪我にくらべれば、なんてことない!

そう思うことにする!

ヨウメちゃんたちには近寄らせないぞ!

こうなったら殴って踊って肉弾戦だ!

うおおおおおお!!!」

「うお〜」


魔族の近衛騎士たち「剣がなくとも我らのために!?」

「なんとすばらしい騎士魂!」

「マオ様! 俺たちも戦う!」

「殿下とヨウメ様を守れ!」

「暗黒騎士マオ様! 我らと共に!」

「マオ〜様〜〜〜!」


人族の兵士「まおうさま?」

「今、魔王様って言ったぞ!?」

「こいつが魔王だ!」

「討ち取れ〜〜〜!!!」


「ええ!? 俺、魔王じゃなくて! マオです!!!」

「まお〜」

「てふてふさん、音引きやめて!?」


城中、都中!

敵味方入り乱れる混戦状態!


空では!

天使たちを相手に、ボクが防御で守りながら、フィスエルが殴り倒して!

地上では!

多彩な武器を持つ人族と天使を相手に、素手で戦うマオ様と魔族の近衛騎士さん、騎士兵士さんたち!


四将軍も宰相さんも満身創痍なご様子!


マオ様や魔族さんたちが負傷するたびに!

てふてふちゃんのてふてふぱうだ〜!

ですが!


「やば! 俺、だいぶ傷だらけじゃない!?

てふてふさん、頼む!」

「まお〜、つかまっちゃった〜」


人族の兵士「こいつがいなければ回復できないぞ!」

「振ると粉で回復できるぞ!」


「てふ!?」


人族の兵士「今のうちだ!」

「殺せ〜!!!」


「はは、やばいぞ……くらくらしてきた!

てふてふ、うまく逃げろよ。

みんな、勇希ちゃん……死んだら……ごめん!」


膝をつきながら殴るマオ様!


!!!!!!!!!


「マ……オ……様!」


「せ〜まちゃん? シャオ!?」


マオ様のバッグから顔をだすシャオ様!

マオ様の背中で黒い刀身が真っ赤にふるえる、ふにゃふにゃせ〜まちゃん!


「天使様……わたくし!

シャオサシャエルユウは!

この命に変えても、マオ様を!

勇者様をお支え申し上げます!」


!!!!!!!

!!!!!!!

!!!!!!!

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