二百二十五羽 ☆ リュリュエル、圏外!

チリ!

チリチリチリチリチリチリチリ!


天高く夜空に輝く巨大な光の柱が!

都に施された巨大な魔法陣が発動!

青白い光が魔法陣を駆け巡ります!


ズズズズ、ズッドーーーーン!!!

ドドドド、ドドッカーーーン!!!


「ふぃわ!? 天から濁流のような光子の奔流! 突然の大爆発です!?」

「都を囲むように多重障壁が構築されてる!

城や居住区は無事だけど、外壁や門が破壊されてるわ!」


「神の雷! なんとか持ち堪えてくれたのだ!

だが、魔法陣に蓄えた魔力が! あと一度はいけるのだ!?」


「空を見て! 天使たち神の軍勢が都に向かって攻め入ろうとしてるわ!」

「ふぃわ!? 地上もです!

突然姿を現した人族さんたち軍勢が、城門を突破して押し寄せてます!」


「おのれ! いつの間に!

四将軍が一人である我が父、軍鬼将軍オウニ・コウ・ホウが鍛えに鍛え上げた魔軍をなめるな! なのだ!

魔族の力を思いしるのだ!」


天使たち天軍の個性あふれる聖技の数々!

多彩な武器を手に攻め入る人族の皆さん!

迎えうつ魔軍の魔法攻撃や多彩なスキル!

四将軍と特級天使の一騎打ちや集団戦闘!

たっぷん宰相さんの砂魔法な支援と指揮!

空中戦、地上戦ともに一進一退の大混戦!


「信じられない!

こんなに大規模に下界に直接介入するの!?

この世界では、そんな大それたことを起こすの!?」


「この世界だと? 何を言ってるのだ!

魔神官の神託によると、もうすでにいくつもの異世界で争いの火種が立て続けに起こっていると聞いているのだ!

さっきの話しからするに、それらすべて神族の計略に違いないのだ!

神の雷を見たろう!

我らの神たる魔の助力がなかったら、とうに滅んでいるのだ!

貴様も神の使徒! やはり我らの敵なのではないのだ!?」


「ちょっと待って! 大体、こんなのおかしいわよ!

こんな重大事、天界ニュースで取り上げられないわけないもの!

リュリュエル! どういうことなの!?」


「ぐぅ」

「ふわふわ浮いたまま、丸まってるんじゃないわよ!

堂々と寝るな!

わたし、こんなのといっしょにされたの!?

エンジェルフィスト!」


「むにゃ……ん~~~? ふわあ、おはようございます。

実はさっきから難しいお話が続いていて、とうとう眠っちゃってました!」


「さっきも寝てたわよね!?

わたしの拳は目覚まし!? 聞いたわたしがバカだった!

そうだ! どういうことか、エンジェル懐中時計で天界に連絡してみる!

あれ? つながらない……おかしいわね?

え? 圏外? どの異世界に行ってもつながるはずなのに!

エンジェルリミッターも制限がかかってないし……

カナリコーダイとかありえないし……

ねえ、リュリュエル?

もしかして、もしかしなくてもさ……わたしたちって、とんでもない過去にいるの!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る