二百十七羽 ☆ リュリュエル、黄金!

「「「露天風呂!?」」」

「ろてん〜」


「なんでそんなことできるのよ!?」

「ん〜〜〜? なんとなく?」

「なんとなくで、できるか!」


「そして!

エンジェ〜〜〜ルバッグ!

ボクの出汁が効いたキラキラ黄金に輝く熱々パワーアップ聖水をジョバーッと大放出です!」


「「「一瞬!?」」」

「はいる〜」


「てふてふ、気持ちよさそうね」


「さあ! 皆さんのギリギリ水着と更衣室もご用意しました! 入っちゃってください!」

「そんな怪しげなものに殿下も我らも入るわけないのだ!」


「水着!? 用意がいいな! じゃあさっそく着替えて! ドッポ〜ン!!!

「暗黒騎士様!?」


まるで滝のように熱々聖水が流れ落ちて、ドバドバ湯しぶきをあげてます!


「せ〜まちゃんもキレイキレイしようね〜」


♡♡♡♡♡


「ヨウメ、僕も入りたい……」

「殿下!?」

「男の子だよね! 10歳くらいかな? キミも入りなよ!」

「…………」

「あれ? 隠れちゃった。もしかして俺、怖い!?」

「こわい~?」

「殿下……」




「ふ〜。やっぱり露天風呂はいいわね〜。

ここが魔獣の森じゃなければ最高だけど。

こういうときは、ほんとリュリュエル便利よね。

ねえ、わたしたちを拘束したのはなんでか知らないけどさ。

魔族のくせに、襲うとか殺すとか凶悪なことしないのね?」


「あたりまえだ! 魔族をなんだと思ってるのだ!」

「え? 世界を支配しようとする魔王の狂信者?」


「それはこっちのセリフなのだ!

貴様たち神の狂信者と一緒にするな!

魔王様は世界の支配などしないのだ!

貴様らこそ、我らを癒すなど、どういうつもりなのだ!

我らを襲うなり、殺すなりしないのだ!?」


「なんだかマオくんと仲良さげだったし?

それに、わたしたち天使がそんな凶悪なわけないじゃない」

「フィスエルは暴力的ですけどね!」


「うるさい!

あんたたちってさ、あんまり魔族っぽくないんだけど?」


「魔族だ!

……魔族の血が薄い魔人だからな。正直、人族とあまり変わらないのだ」


「やっぱり。なんかさ、お互いに誤解とかない?

さっきから微妙に話がかみ合ってないしさ?

とりあえず、殿下くんもあんたの部下もお風呂に入っちゃったんだし、無駄な抵抗してないで入りなさいよ?

あんた一人臭いわよ」


「うるさい! 殿下にくんをつけるな!

なんでみんなそんなにほのぼの入浴してるのだ!?」


「皆さん、お風呂の誘惑には勝てませんでしたね!」

「魔族の誇りは風呂に負けるのか!? ものども! お前らどうなのだ!?」


魔族たち「極楽〜〜〜」


「すっかり、おくつろぎ! お耳に入ってませんね!」

「なんでなのだ〜〜〜!?」

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