二百十五羽 ☆ リュリュエル、変態!
「ものども! なんとしてでも殿下を守るのだ!」
「ヨウメ! 僕も! 僕も戦う! ひっ!?」
「殿下〜〜〜!」
「聖なる魔剣よ! 俺とともに舞え、戦え!
ホーリー! ダンシングソ〜〜〜ド!
よっしゃ! でかくて白い狼五匹を瞬殺!
こいつら首輪なんてしてるぞ?
頭の骨が! 痛〜〜〜〜〜い!!!」
「てふてふぱうだ〜」
「さわやか!
せ〜まちゃん、いつもありがとう、ちゅっ♡」
♡♡♡
「剣にチューしてるのだ! 変態!」
「せっかく助けたのに変態扱い!?
俺、泣いちゃうよ!?」
「こ、これは失礼しましたのだ!
剣を愛する心なのですね!
助けていただきありがとうございます。
殿下! ご無事ですか!?」
「ヨウメ……僕が非力すぎて……ごめんなさい」
「殿下! そんなことはありませんのだ!」
「大丈夫ですか!?
うわ! みんな顔が青白いですよ!?
どこか具合悪くないですか!?」
「? いえ、魔族ですから顔色は普通なのだ。
殿下、ご無事で何よりです!
痛っ! わたしは傷を負ってしまったようなのだ。
部下たちも傷が……」
「大変だ! てふてふ! みんなに回復を!」
がぱっ!
ベキボキ!
ガキガキ!
ゴキゴキ!
ごっきゅん!
魔族たち「うわあ」
「あいかわらずの凶悪顔!
みんなドン引きだよ!? 魔獣食べるの後でいい?」
「いいよ〜」
ジジジジジジジジ!
パキン!
「ふぃわわわわわ!!!」
「きゃあああああ!!!」
「うわわわわわあ!!!」
「リュリュエルにフィスエル!?
ぶ〜〜〜!!!」
「ぶ〜」
「マオくん、鼻血! 見ないで〜〜〜!!!」
「あ! あの、その! 胸が! あそこが!?
ヨウメ、僕を助けて!」
「殿下!?
突然現れて、殿下を押し倒してるのだ!?
天使!? 神の使徒なのだ!
一人はずぶ濡れ、一人はすっぽんぽん!?
露出狂の天使なのだ!
サキュバスのごとく、幼くあどけない殿下を誘惑するつもりなのだ!?」
「ひゃわ!? ろ、露出狂なんかじゃないわよ!
装備した羽でかろうじて隠したし!
誘惑なんかしないし!
だって急にしょうがないじゃない!」
「露出狂天使フィスエル、大復活です!」
「ごめんなさい!
お願いだから露出狂はもうやめて〜〜〜!」
「貴様ら、我ら魔族の地に何をしにきたのだ!
ものども! 拘束しろ!」
「え!? 拘束!? 二人を!?」
「ふぃわわわわわわ!」
「魔族? そんなことよりリュリュエル、衣〜〜〜!」
「全なる父よ! フィスエルにおニュ〜なデザインの衣を与えたまえ!」
「なんにも出ないわよ!?」
「あれれ? それでは聖力全開!
全なる父よ! フィスエルにおニュ〜なデザインの衣を与えたまえ!
はい! 今回はおしりに加えて胸元もワンポイントのひとつです!」
「余計な露出を増やすな! でもかわいい!」
「貴様ら、縛られながらなのに余裕なのだな!」
「ボクもフィスエルも、まさかの緊縛をされちゃうとは思いませんでした!」
「それはともかく! みんな怪我だらけなんだ!
リュリュエルにフィスエル! てふてふ! みんなに癒しを!
俺の鼻血も止めて、お願い!」
「マオ様、久しぶりに刺激がすぎたみたいですね!」
「緊縛されてるんだけど!?」
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