二百六羽 ☆ リュリュエル、快楽!

「「スキル<血湧き肉躍る災害級に絶大な筋肉>!」」


「お二人の筋肉が膨れ上がって、お体がひと回り大きくなりました!

さすが老いても鬼神な鬼人!」


「だが、ご老体だけあって腰が曲がってる!

なんとも愛の迫力にかけてしまう!」


ゼエハア言いながら!

お互いがお互いを守り合って助け合って!

徐々に押されはじめる二人!


「いや疲れたわい! 心も技も体力もなけなしじゃ!」

「いい汗かきましたねぇ。げ〜ほげほ!!!」


「いい汗って倒れとる!

心臓止まって死にそうになっとるし!?

後継者も見つかっとらんのに、わし一人残さんでくれ!

ぶちゅ!」


「心臓が止まっても生きてます! さすが鬼神さん!」

「愛の人工呼吸が美しい!」


「ご老体の口づけラブシーンはドキドキ心臓に悪いですね!

ボクのおしりで隠しちゃいますよ! きゃっ♡」


「恥ずかしいわ。いやん♡」


「ばあさん、顔真っ赤からの真っ青じゃな!?

こりゃいかん!

のう、ばあさんや。そろそろ、この世とも……

おさらばじゃな!」

「サラダバー食べたいですねえ」

「辞世の句がそれでいいんじゃな!?」


なぜか都合よく、生あたたかい目で遠巻きに見守っていた亡者の皆さんが襲いかかってきます!


「ばあさんのボケもこれで最後じゃ。

後継者を残せなんだが心残りじゃが、致し方あるまいて」


「ご老体に愛を!」

「あきらめるのは早いですエンジェ〜〜〜ルハック!」


「こりゃ神のギフトじゃ! 懐かしいのう、これで二度目じゃ!

年老いた体には何をしてもムダじゃろ?

じゃが、その心づかいをムダにするのも忍びない!

せめて一太刀! そりゃ! ん? もう一太刀! んん?」


「おじいさん一人だけ戦わせるわけにはいきませんねぇ。

最後の愛の力で一振りだけでも。

よっこいしょ〜!

……あれまあ! おじいさん! なんだか筋肉が軽いですよ!」


「おお! 動くぞ! 一太刀ごとに筋肉に力が湧いてくるようじゃ!」


襲いくる亡者の皆さん!

でもそれでも!

老体にムチ打って武器を振るい続けるお二人!

後から後からわいてきます!


戦うことしばらく!


「ひゃっは〜〜〜!!!

次の相手はお前か! なかなかイケメンリッチじゃねぇか!

あたしのキンキンピカピカな折檻せっかんで急所を責めてやるよ!

キンピカセッカン棒を喰らって、気持ちよく昇天しな!」


はう〜〜〜ん♡


「はっ! なんだなんだ!

女吸血鬼どもが青白い色香振りまいて襲ってきやがって!

まとめて俺様に逝かされたいか!

天国に昇る快楽で地獄に送ってやるよ!

妖刀ショーテン丸の技を喰らえ! 絶頂天天昇天斬!」


いや〜〜〜ん♡

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る