百九十五羽 ☆ リュリュエル、仁王立ち!

「ドラゴンて聞いて、よろこんでやがる!?

雪、氷、この異常な状態。氷の化身である俺と、雪鬼の力だけでできると思ってやがったか?

違うのさ!

このあたり一帯を豪雪と化し!

この山を氷で凍てつかせた魔王軍が配下、氷雪零龍カチコチツーヘッドラゴンの力だ!

こいつに手助けしたチビがきともどもやっちまえ!」


ピ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!


「ふぃわわわわわわ!?

アビスの底に凍る氷層がビシビシっと割れて!

崩れる氷の中から、頭が二つある長〜〜〜い巨大龍さんがニョロニョロっと現れました!

略してヒレカツさんですね!」


「その略し方、かっこ悪い!

氷雪零龍でよくない!?」


「大きな二つの口から冷気!

ひとつの氷がどんどん形成されていきます!

アン様たちを狙う巨大な氷塊ブレスな予感!」


「その通りだ!」


「アン様たちをやらせるわけにはいきません! とう!」


「へっ! チビがきどもの盾になるつもりか!

極寒耐性のないクソ防御のお前に何ができる!」


「ん〜〜〜?

近づくと凍っちゃいそうですし、おしりさんと同じように炎が効かないかもしれませんね?

どなたの技をお借りしましょう?

ヤミエルのイービル暗黒ブラックホールは小さすぎて心もとないですね?

ラブエルの聖技でいってみましょう!」


ワタシとアン様たちを狙って巨大な氷塊が放たれる!


「愛の大断絶! エンジェルラブラブラブリンハートカッターーー!!!」


「やらせねぇよ!

斬るキルまわれ! 死を招く鎌の舞! キリングデスサイズ!」


死の気配を感じる鎌が投げられて、ビッグなハートの軌道をそらします!

もう一本の鎌がワタシの右足をくるくるっと斬り落とす!


「くぅん!」


今まさに!

リュエルとうしろのちびっ子さんたちを貫こうと、巨大で尖った氷塊が迫る!


「お姉ちゃん、逃げて〜〜〜!!!」

ちびっ子さんたち「きゃあああああああああ!」


「ワタシの攻撃耐性極限低下じゃ防御できない!

でも! あの子たちを守りたい!」


両手を広げて中空に仁王立ち!

流れる涙と体が絶対零度な冷気で凍りついて!


「助けて! リュリュ〜〜〜!!!

はい! ここはボクの出番です!」


ドスン!!!!!


小さなボクに突き刺さる巨大な氷塊!


「アン様たちの手前でギリギリ寸前!

ぷにぷにの小さなお胸で受け止めました!

凍ったボディも元通りです!

(神バッジを装備してないのに!)」


「お姉ちゃん!!! 羽が白く、輪っかが金色になってる!」

「今のボクはお兄ちゃんですよ! ボディは女の子のままですけど!」


「なんだと!? 体で受け止めやがった!!!」

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