百九十四羽 ☆ リュリュエル、支配!

「だって……お姉ちゃんが心配だったんだもん!」

「心配!!!!」

「お返し!!!」

「きちゃった!」

「サンクね、おしりのお姉ちゃんのこと怖くない!」

「「「怖くない!」」」


「どうやってここまできたんです!?」


「パトロールの雪鬼にわたしたちを食べてって! わざと捕まったの!

そしたら、にこにこしてよろこんで連れてきてくれたよ! ほかの家の子たちも全員!

そんなにおなかすいてたのかな!?

資材運搬のトロッコ速かった!

よくわかんないけど体にすっごい力が湧いて、いろいろあれこれ大冒険だったよ!」


ひょこひょこと足場から顔をのぞかせる子どもたち!

大人たちが守ってます!


「そんな無茶をしないでください!」

「「「「「ごめんね!!!」」」」」


「何を盛り上がってんだ、てめぇら!」


「「「「「おしり!」」」」


「チビにまで言われるの!?

もう、クールビズやめた方がいい!?

俺、悲しいよ!? 泣いちゃうよ!?

うるせぇチビども! 全員串刺しにしてやる!

氷結のつら乱舞!」


「させません! フィスエル流奥義、天極拳!」


何本もの鋭いつららを、縮地な拳で叩き落とします!


「ちっ! じゃますんじゃねぇ!

まずは、ぼろくそ防御のてめぇから始末してやる!

これで終わりだ! 凍って崩れろ! 氷結の瞬零鎌斬り百閃!」


極寒の冷気をまとった鎌が体をかすめる!


「ふぇわ!? 体が凍りついていきます!」

「お姉ちゃん! 受け取って!」


パシ!


「これは!

極寒耐性のタリスマン! ……と、ワタシのパンツ!

アン様! ありがとうございます!

……パンツはくので、見ないでください!」


「しっかり見るけど!? 眼福!」


皆さんの前で恥ずかしいです!


「お姉ちゃん、がんばって!」


「はい……絶対! 許しません!

フィスエル流、奥義! 天極拳!」


体にまとわりついた氷がはがれていく!

絶対零度な冷気をまとった鎌の連撃!

ギリギリすばやくかわしながら!


燃える拳打! 煌めく掌底しょうてい

四つの拳で繰り出す、四天拳!

ときおり鉄山靠てつざんこうなど!


「な、なんだと〜〜〜!!!

けつばっかり攻撃しやがって! あてつけか!?

冷気全無視かよ!

下半身が吹っ飛んじまいやがった! なんだその攻撃力は!?」


「絶対、許さないって言いましたよね?

全無視でもないですよ?

極寒耐性とはいっても、完全ではないみたいですね?

か〜な〜り! 痛いです!

ワタシの体があちこち損傷してます。

タリスマンもほら、バラバラに砕けちゃいました!」


「そいつはいい!

こいつを見ろ! なんだと思いやがる?」

「ん〜〜〜? 長〜い牙です?

あれはなんでしょうエンジェリックア〜〜〜イ!

支配の龍笛!

ドラゴンさんを使役することができるという伝説の秘宝ですね!

ワクワクドキドキですぅ〜〜〜!!!」

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