百九十羽 ☆ リュリュエル、採掘!

「おいしいごはんと温かいベッドをありがとうございました。

燃え種がないんですよね?

ヤミエルからもらった極寒耐性のタリスマンをどうぞ………………テーブルに置いておきますね。

ワタシはもう行きます。もう二度とおじゃましませんから安心してください。

…………

きっと……皆さんのパパとママはもうすぐ帰ってきますから」


「もうすぐ?」


「おとなしくお家で待っていてくださいね。

今度こそ約束ですよ?

それじゃあ、バイバイです」


「リュエルお姉ちゃん……」

「アンちゃん……いいの?

おしりのお姉ちゃん、助けてくれたよ?」

「サンク……」




「いきなりエンジェリックア〜〜〜イ!

雪景色にそびえる神秘を感じる真っ白で銀色に輝く山、霊峰シルバスト!

この山にシルバタイト鉱山があるみたいですね!

さっそく行ってみましょう!」




「ふぅっわ〜! 丸くて深くてなんて大きな穴でしょう! まるでアビスな山の火口!

上から下までカチンコチン!

なんだかあちこち無理やり凍りついてるみたいです!

壁面には氷で足場が取り付けられて、たくさんのチビット族さんたちがカチカチ、カンカンとシルバタイトの採掘作業をしちゃってます!

雪鬼の皆さんもあちらこちらに見回り点検!

下手にちょっかい出すと大騒ぎになっちゃいそうですね!」




「ぎゃ!」

「サボるんじゃないよ!

しりをせっかんつらら棒で叩かれたくなかったら、さっさと働きな!」


「けつが痛ぇ、ちくしょう……子どもたちは元気にしてるかなあ」


「さっそく、チビット族さんのおしりをいじめる雪鬼さんを発見です!

背後からそぉ〜っと!

エンジェルフィストで気絶!

チャチャっと緊縛!

お口もしっかり拘束!

見つからないように、氷の影にポイ!

大丈夫ですか?」


「助かった! あ、あんたは?」

「通りすがりのかわいい天使です!

アン様、五人姉弟にここのお話を聞いて、チビット族の皆さんを助けに来ちゃいました!」


「アンだって! アンなら俺の娘だ!

みんな無事に生きてくれてたんだな!」


「お父様!

どんどん解放していくので、皆さんと協力して脱出してくださいね!

それと! 村に戻ったらお子ちゃまたちを連れて遠くに逃げるんですよ!」


「でもよ! 逃げたら子どもたちを殺すって脅されてんだ! 子どもたちは子どもたちで逃げたら親を殺すって脅されててよ!」


「大丈夫です! なんとかしちゃいます!

ワタシは! 止まりません!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る