百六十八羽 ☆ リュリュエル、大演奏!
「よし、いくぞ!
<一刀両断飛翔追撃斬>!
でやあああああ!!!」
触手な闇のオーラを次々に両断する斬撃!
「聖力をこめて我が闇のオーラを断ち斬るか!
しかし、前方だけ対処したところで上下左右背後まで防ぎきれまい!
まずは貴様を倒してくれよう!
デビルズマルチドレイン!」
「くっ!? なんとかしたいが動けん!
右眼の封印を解いたことによる反動か!?」
「う!? 背後から吸い取られる!?
目がかすんで見えない!?」
「ユウ! がんばって! わたしもがんばるから!」
……獣忍は殺気や気配を感じて心の眼で戦うにゃん!
「そうだ! ミャウたちとの特訓を思い出せ! 気配を感じろ!
でやあああああ!!!」
「両断のスキルはあなどれぬが、勇者とは程遠い!
雑兵ごときが、無駄なあがきを!」
「俺は、俺は雑兵なんかじゃ!?」
「皆さん……ピンチですね。
ギフトを授けないとです」
「わかってる!
でも、レベル3しかないわたしのギフトじゃ!
ぐすん!
リュリュエル、どうしたらいいの!?」
「おいらにできることは!?
なんでも言いつけるぽん!」
「ぽん丸様……いよいよ今度こそボクの出番です!」
「だめ! こんなに存在力が薄くなってよろよろなのに、無理して立たないで!」
「フィスエル、ボクを信じて!
ですが、今のボクの力では足りません。
フィス、ボクの手を握ってください!
一緒に!」
「い、一緒に? うん! わかったわ!」
「いきます!」
「いいわよ!」
「「エンジェ〜〜〜ル! ダブルギフト!!!」」
からくりブレイブ太夫ぽん丸様と、ボクのエンジェルバッグに降り注ぐ、二人色の光のシャワー!!!
「ふぃわ!? ボクのエンジェルバッグから勝手に妖刀ムラムラマッサーが!」
「妖刀ムラムラ!? なにそれ!?
多重立体構築式が刀を再構築しはじめたわよ!?」
瞬時に再構築されたある物がぽん丸様の手に!
「これは……パパが作ってくれた人工頭脳の知識でわかるぽん。三味線ぽん!
この子の名前は……妖艶夢羅夢羅丸にするぽん!」
「妖刀の造形を活かした、妖艶あでやかな和楽器ですね!
ぽん丸様! 皆さんのために! スキルをお願いします!」
「もちろんぽん!」
「聖力は残り少ないけど、わたしだってユウの力になるんだから!」
「ラナ!」
「「<闇夜に隠れる獣忍の影々>!」」
「ミャウと!」
「ミュウが!」
「「獣王将軍を振り切って大登場にゃ!!!」」
「ケモナも参戦もな!」
「スキル<心奏でる 愛あふれる 妖艶夢幻な愛の世界>!」
「スキル<愛ある限り 思うがままに変わる聖なる世界>!」
チントンシャン♪ ベベン!
荒々しくも流麗に、バチで弦をはじくぽん丸様!
なぜか聴こえる太鼓や鍵盤楽器などの音色の数々!
ぽ〜んと狸囃子な腹鼓!
三味線ロックな大演奏!
妖しく艶やかに! 心に鳴り響く伝統芸の嵐!
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