百六十七羽 ☆ リュリュエル、消滅!

「全階層ゲート解放! 出口を開け!」


……射出ゲート下層より順次開放


ゴウン! ゴゴン! ゴゴン! ゴゴン!

最下層から順に開いていく天井!


「神の使徒、貴様は終わりだ。貴様を吸いつくしたら去るとしよう」

「ボクは……負け……ません!」


「うう……たす……かったのか?

娘は? ラルーナは? 天使殿!?」

「でたらめ天使! くっ!? 立てん!」


「あれれ? 目がかすんじゃいます〜

リュリュ! ほんとはダメだけど、交代しま……あ……ワタシ……も……」


「リュリュエルぽん!?

死んじゃだめぽん!」


「その力! その仮りそめの命! もらい受ける!」

「……フィス……ボクは……ボクの勇者様たちを信じます!」


「勇者ならここにいるぞ!

<一刀両断飛翔追撃斬>!

でやあああああ!!!」


床に崩れ落ちるリュリュエルと、転がる魔王の右腕!


「む、この魔王の肉体を両断するとは」

「魔王だって!?」


「リュリュエルぽん! 横になるぽん!」


「リュリュエル!」

「フィスエル、来てくれたんですね」

「ボディと魂にずれが! ずれが二つ?

あ……存在力が薄くなってく! だめ! 消滅しないで!!!」

「はい……大丈夫……フィスエルを置いて消滅なんてしないです。

ボクのピンチにチューしてくれてもいいんですよ?」


「ひゃわ!? こんなときに!?

そんなににっこりして無理しないで!

エンジェルキュアー!!!

エンジェルキュアー!!!

エンジェルキュアー!!!

もう! 天使も癒せればいいのに!」


大粒の涙をボロボロと流すフィスエル。


「リュリュエル!?

こいつが魔王なんだな!

絶対、俺が倒す!

<一刀両断飛翔追撃斬>!

でやあああああ!!!」


「目視によるホーミングの斬撃か! こざかしい!

貴様の視界に入らなければよいだけのこと!」

「あたらない!? 目で追いきれない!」


「この膨大な神力と闇力! これならば世界もろとも吸収しつくせよう!

デビルズワールドドレイン!」


またも、触手のように伸びる魔王の禍々しいオーラ!

オーラは生命を求めて、すばやく地上に伸びて!

触れるものの命をじわりと吸収していきます!

再構築される魔王の右腕!


「ちくしょう! 力が抜けてく!? 剣を構えてられないぞ!」

「うそ!? 何これ!? 聖力がどんどん吸われるわよ!?」


「今代の勇者だと?

古代の勇者にくらべればなんと脆弱。

貴様などただの雑兵、死ね!」


ユウ様にのびる無数の闇のオーラ!


「ちく……しょう! 俺は……雑兵なのか!?」


「だめ〜〜〜〜!!!

スキル<愛ある限り 思うがままに変わる聖なる世界>!」


棺から半身を乗り出して絶叫するラナ様!

棺には結界のようなものが!

とてもせまいですが、闇のオーラをさえぎって安全地帯みたいです!


魔王様のオーラを書き換えようとするラナ様の聖力!


「またも聖女の力が邪魔をするか。だが……まだまだ途上な聖力!」


強大な魔王様のオーラがラナ様の聖力を跳ね返す!

でもそれでも!


「親父の剣が聖剣に! ラナ! 無事でよかった!」

「ユウ! わたしにできることはこれだけ! がんばって!!!」

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