百六十六羽 ☆ リュリュエル、膨大!

「おのれ、魔王!

シューティエルは貴様の復活のために尽力した協力者だろうが!」


「ヤミエル、世界の破滅を望む堕天使が何を言う。

シューティエルも我が糧となり悦んでいることだろう。

貴様の望みを実現するためにも、我が糧となるがいいのだ〜!

む……いかん、チミのくせが」


「くっ!? 確かに! だが俺は!?」


「ふ。迷うなど笑止! この場にいる者みな、我が糧となるがいい!

デビルズマルチドレイン!」


触手のように伸びる魔王の禍々しいオーラが、墓所全体に広がって全員の命を吸収していきます!


王様さんと王族さんたち「ぐおおおお!?」

「きゃああああ!?」

「力が抜ける!?」

「命が吸い取られるようだ!?」


「ぬが!?

ええい! 混沌だの恐怖だのどうでもいい! 世界の滅亡など知ったことか!

我がライバルよ! 貴様の想いにのってやる!

今こそ右眼の封印を解くとき!

眼帯に隠されし黒き輝きよ!

我が意志に従い、その力を解き放て!

呪われし黒い炎よ! 灼熱に輝け!

ラストインフェルノ!!!」


「くっ!? 封印された地獄の炎か! なるほど言うだけのことはある!

しかし……生ぬるい!!!

ヤミエルよ、おとなしく我が糧となれ! デビルズドレイン!」


「くっ!? いともたやすく捕まるとは、さすが魔王!

このままでは!? 闇の力が!?」


「ボクのお友だちにひどいことしないでください!」

「ふ……ライバルと書いて、友よ!

喰らえ! 地獄の業火!!!」


「生ぬるいと言っただろうが!」

「くっ……でたらめ……すまん……」


「このままだとみんなの命が危ないです!

ここはいよいよボクの出番!

エンジェ〜〜…………ル……ギ……

あれれ? なんだか急に力がどんどん抜けていきますぅ〜〜〜」

「リュリュエルぽん!?」


「これは!? このすさまじい神力と闇力は……貴様か!

脆弱な神の使徒が神力に闇力とはおかしなものだが。

もはやゴミのような者の生命力などどうでもよい。

俺のスキル<吸えば吸うほど強靭な愛の魂>をもって、貴様の膨大な力すべてを我がものに!

デビルズインフィニットドレイン!」


「はあ! はう! やあぁぁぁぁ〜〜〜!

なんだか、頭がふわふわくるくる!

恥ずかしい声が出ちゃいますぅ〜!」


「なんだか余裕が感じられるのは気のせいか?

む? 貴様、どこかで見た覚えが……遠い、遠い記憶に……ふわふわくるくるなのだ?

いや……復讐への悲願を忘れるな!

ふ、強がりを言いおって。

どうやら防御力に自信があるようだが、この技は精神を介して生命力や聖力、闇力に作用するもの。ゆえに防ぐ手段はない」


「やめるぽん! リュリュエルの首を離すぽん!」


人口頭脳にインプットされた体術、からくりパンチやからくりキックで魔王様に攻撃するぽん丸様!


「貴様、なぜ動ける?

なるほど、天使どもにくらべると数段劣ったオートマタか。

我が強靭な肉体に蚊ほども効かぬわ!

かまうほどもない!」

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