百六十五羽 ☆ リュリュエル、未来!

「ケモナ流、獣剣奥義! 白黒熊の肉球剣!」

「無駄! 金剛石よりも硬く! しなやかに鍛えた筋肉が柔らかく!

斬られることも砕かれることもなし!

我がスキル<闇獅子の金鋼拳こんごうけん>の前ではいかなる攻撃も無力!」


「このままじゃまずいもな!

エンジェルリミッター解除を申請!

……………………来ないもな!

やっぱり直接介入じゃダメもな!」


「おとなしく消滅するといい! とどめ!」


ボンッ!!!


「元に戻ったにゃ!」

「ケモかわ天使は!」

「「やらせない!」」

「くノ一」

「獣人忍法!」

「「お色気ねこねこ天国にゃ! んにゃは~ん♡」」


「ぐはあ!?

……………………

沸き立つ魅惑! こみあげる熱い衝動!

なんという双子なお色気!!!

右と左からぺったんに挟まれて、金剛よりもさらに硬くなってしまう!?

とても立っていられん!

いや、立ってる!」


「「すっごい効いてるにゃ!」」


「ぺったんな二人の絶壁に挟まれてすっごい幸せそうね!?」

「「絶壁ってなんのことにゃ!?」」


「我ら獣人、眷属ともども幼きころより迫害を受け、死から逃げる恐怖。

心を閉ざし我が身を鍛えに鍛えた禁欲修行な日々、ただただ迫害を行う人族の滅殺に注いだ人生。

まさかこのような女子にドキドキな心が芽生えようとは。

もはやこれまで……人族を滅ぼすなどどうでもいい!

おとなの色気ゼロな双子よ! 俺と結婚してくれ!!! 子どもは百人は欲しい! 子孫繁栄で獣人の未来を守ろうではないか!」


「「にゃにゃにゃ!? それはダメにゃ!!! 逃げるにゃ〜〜〜!!!」」

「待たれよ!!!」


「心変わりが激しすぎけも!?

さっきまでの死闘はなんだったもな〜!」


「あんなに強かった獣王将軍がとってもマイノリティな性癖で助かったわ。

ていうか、もっと早くに気づけばよかったのにね」


「リュリュエルと一緒にいた天使!」

「フィスエルよ! って、ユウくんじゃない!

目印を追ってきたのね! 上はもういいの!?」


「だいぶ優勢だから親父たちにまかせてきた! ラナは!?」


「いまリュリュエルたちが向かってるわ!

きっとたぶん!

……なんか急に心配になってきちゃった!

一緒に行くわよ!」


「よし! ラナを助けに行こう!」


「傷だらけのケモナはここで待っててね!」

「少し直したらすぐに行くもな〜」


「それじゃあ、ガシッとビューンと行くわよ!」

「フィスエルもか!? うわああああああ!?」

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