百六十九羽 ☆ リュリュエル、勇者!

「これは!? なにごとだ!? 俺の闇力が抑え込まれるのだ!?」


「暗くて墓所なジメジメを!

お二人の聖力が魔王様の禍々しいオーラをかき消して!

古代の墓所に色とりどりな桜や花々が咲き誇って!

なんだか妖しいケモみみミニ天使さんたちが飛びかっています!

力強くも妖艶感じる音色に合わせた花吹雪なイリュージョン!」


「「今にゃ! 獣人忍法! にゃんこのみだらなバリバリ攻撃♡」」

「獣剣奥義! みだらな猫剣! けも♡」

「「イケもふが悶えてるにゃ!」」


「なんだか体がうずく!? 心が湧き立つ!?

音が頭の中に! わかる! 目がかすんでいても! 見えなくてもわかるぞ!

みんなのいる場所も! 気配も! これが心眼!

みんなに助けてもらってばっかりだけど、俺は雑兵なんかじゃない!

俺はユウ・シャニナール!

俺は勇者だ!

勇者になるんだ!!!

<一刀両断飛翔追撃斬MAX>!

でやあああああ!!!♡」


「ぽんぽんぽぽ〜ん!

パパの仇討ち! 世界の仇! 魔王を絶対許さない!

妖しく雅に煌めけ! 妖刀ムラムラマッサー! <風雅悶々悶絶斬>!!!」


ミャウ様、ミュウ様、ケモナの色気を感じる攻撃!

離れた場所から正確に軌道を描くユウ様の斬撃!

からくりボディを駆使して、三味線に仕込まれた妖刀ムラムラマッサーが居合のごとく抜き放たれて舞う、艶やか怪しい剣閃!

魔王様の強靭な肉体を斬り裂きます!


「ふ! さすが我が友! いやライバル!

なに!? シューティエル!? 俺もか!?」


「きゃあああああ!?」

「「にゃにゃにゃ!?」」


さらに、王族さんたちの悲鳴も!


「ラナ!? ミャウにミュウも!? みんなも!?

みんなの服がぎりぎりな感じで斬られてる!?」


「ユウ様の心の斬撃ですね!

さすがボクの勇者様!」


「服に対して!? それとも魔王!?」


「ユウのえっち!」

「「は、恥ずかしいにゃん!」」

「だってなんかよくわかんないけど心が変なんだ!」

「大人の階段を一歩登ったもな♡」


「ぬぐ!? おのれ!

だがこれしき、俺の強靭な肉体を持ってすれば再構築もたやすい!

なのだ〜! いかんまたチミが」


「チミちゃん! これはもしや!

エンジェルバッグに眠る、あのお方の出番です!

ほ〜らチミちゃん! かわいいぬいぐるみゆ〜れ〜さんですよ〜!」


「わわわ! チミちゃんのゆ〜れ〜なのだ!」

「チミ!?」

「まだいたの!?」


魔王様の肉体から抜け出して、ぬいぐるみゆ〜れ〜さんに飛びつくチミちゃんの魂!


「わ〜いなのだ〜!」

「ぬいぐるみ好き! それなら、ほんとにほとんど聖力が残ってないけど、スキルを使ってみる!

スキル<愛ある限り 思うがままに変わる聖なる世界>!」


「肉体の再構築が止まる!? それどころか崩壊するだと!?

精神が、魂が完全でないと!

くっ! ……はん♡

おのれ! なんだこの精神攻撃は!? まさかこれほど追い詰められようとは♡」


「魔王から艶やかなムラムラが止まらないもな♡ ケモナもな♡」

「「ムラムラってなに!?」」


「ユウ様とフィスエルが驚くのも無理はありません!」

「リュリュエル! 元気になってる!」

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