百五十羽 ☆ リュリュエル、象徴!
「友好、和平の橋渡しなら、さすが愛の天使ラブエルってとこね。
熱血俺々な誰をも魅了する絶世の美少女にまかせておいてよかったわ」
「ぜっ!? なひゃはうわぅおぅ、きゃう!
あ、あんまり……いじらないで〜!
さらに愛の朗報!
まあいっかサーカス団とドラゴンは今回の最大の功労者であり勇者として、大陸全土連合軍を代表してマリン姫とウミベーノ王国の緊縛王子から勲章と愛を!
ナンバワン王国からは爵位と愛を授与されたそうだ!
爵位は愛をもって返上とのこと!」
「ふ〜ん。和解の象徴ってとこね。
精神系の策略にも強くなったし、武力も含めてとんでもない戦力になったものね。
これなら魔王軍の侵略にもびくともしなさそう。
わたしもラブエルも手を離して大丈夫ね。
わたしとリュリュエルの勇者候補の授与式かあ。
あ〜あ〜! ラブエルにくっついて、わたしも授与式、見に行けばよかったかな〜。リュリュエルも見たかったんじゃないの?」
「ボクは別にいいで〜す。
勇者様が活躍してくれれば、それだけでボクもうれしいでっす!」
「まあね。天使が三人も授与式に並んでもね」
「いよいよ、この世界の魔王討伐も近いですね!」
「だといいけど。
人魚姫と緊縛王子もついに婚姻を結んで、両国にあった異種族間の垣根もなくなりつつあるらしいわね。
幻惑されていたとはいえ、協力関係にあったせいかしら」
「愛のラブラブだ!」
「今回のあれこれも元をたどれば誰かさんのせいもあるわよね?
成果が大きかったのか、被害が大きかったのか、微妙なとこね」
「とっても立派ですっごい成果です! えっへん!」
「はいはい。
……あのさ、リュリュエル……黒い羽って……
(ラブエルの言ったことが、なんでか気になる。何かが頭にちらつく。でも……)」
「はい? なんですか?」
「ううん……なんでもないわ……
ねえ! わたしたちってさ! いっぱい働きすぎじゃない!?」
「愛の過重労働!」
「そうよね!
たまには遊びに行っちゃわない!?
みんなで休暇にしましょうよ!」
「うっわ〜〜〜おぅ!
みんなで休暇!
とっても楽しみですぅ〜〜〜!!!」
「さっそく、エンジェル懐中時計で天界に休暇の申請、出しとくわ!」
「バカンスですね!」
「「それじゃあ! レッツゴ〜〜〜!!!」」
「……」
ボクたちのいる上空。さらに上空に。白と黒の二人の姿。
「月日をかけた計略がたった数日で破られてしまいました。
こっぴどくやられたものです。
あの不可解な天使様は大したものです。ねえ、ベル」
「そうですね。
ふわっとピュア、それでいてミステリアスな神々しさ。
ダークネスですか……おそらく……いえ、やめておきましょう。
あの黒く美しい天使様と永遠を共に、ああ! わたしの一部と全身で感じたいものです!
あたなもそうは思いませんか? ベル?」
「あああ! わたしもまた、わたしの一部と全身で感じたい!」
「「いずれまた。魅了の鐘を響かせに参りましょう」」
☆次回新章!☆
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