リュリュエル ☆ 爆誕の十五

百五十一羽 ☆ リュリュエル、観光!

「ふっわ〜〜〜〜〜〜〜!!!

もくもくと白い湯けむり! 湧き出す源泉!

硫黄の香りがただよう湯の花!

たくさんの観光客の皆さんが、湯畑を楽しんでいらっしゃいます!

ライトアップな夜も素敵だそうですよ!

歴史を感じさせる温泉街!

とある世界の! クサーツ温泉に来ちゃいました〜〜〜!!!

ボクは! 10級見習い天……」


「羽の拳じゃないけどエンジェルフィスト!

ここで自己紹介を叫ぶな!!!

お忍びなのよ!」


今のボクたちは天使装備をはずしちゃってます!

神バッジははずしませんよ!


「どうせ頭の弱い子って思われるだけです〜」

「自分で言った!」


「だめだもな!

もしもバレたら大変もな」


「し〜! ケモナはしゃべっちゃだめでしょ!」

「もな!」


観光客「何このワンちゃん! 鳴き方が変! かわいい!」

「でもこの子、犬? 犬じゃないでしょ?」

「え! この女の子たちもかわいすぎない!? ブロンドヘアに浴衣姿がかわいい〜!」


「ちょ!? あっという間に囲まれちゃったわよ!?」

「天界のマスコット、獣モードのケモナはここでも大人気です!

ボクもお顔がとろとろとろけちゃいますぅ〜」

「いいから逃げるもな!」


観光客「しゃべった!?」

「録画していい!?」

「つかまえて!」


「けも!?」

「逃げるわよ!」

「わ〜い!」




「ふ〜! なんとかまいたわね……

ん〜! でも、いいわね〜!

こうしてな〜んの心配もなく、輪っかも羽もつけないで、ぶらぶらできるの!

ケモナも来れてよかったわね!

あら? 雨。着物レンタル店の人が言ってたとおり」


「和風な傘を一本だけでも借りててよかったですね!

フィスエル、入ってください」

「……うん」


しとしと

温泉街にカラコロ重なる、下駄の音。


(雰囲気いいもな〜)


「晴れた……通り雨だったのね。

それじゃあ、温泉街を楽しみましょう!」



できたてほかほか温泉まんじゅう!

プリンに、おかきに、いわなの塩焼き!

他にもいっぱい、三人で食べ歩き大満足!


ぬくぬくほんわか足湯!

踊りと唄が伝統的な湯もみショー!

源泉を適温にする湯もみ体験!


「あ! あそこ! 射的だって! やろ!」


「くはははははは!

我が手にかかれば、このようなお遊び、赤子の手をひねるようなものよ!」


「おいてめぇ、そのセリフ何度目だよ?

混んでるんだから交代して、あたしにもやらせろよ!」


「シューティエル!? それにヤミエルじゃないの!」


「は? 拳の! ああ!? ねんねがなんでこんなとこにいやがる!」

「はあ? あばずれが、わたしに負けたくせに何いきがってんのよ?」

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