百五十四羽 ☆ リュリュエル、真ん中!

「夕食のニポーン料理もおいしかった〜!

さすがホテルニューエンジェルの系列の宿!

偶然たまたま女神様が隣のテーブルにいて緊張したけど」


「駄肉女神様、お友だちの女神様と楽しそうでしたね!」

「きっと誰かさんのせいで心労が絶えないのよ」


「畳で和風な居室がすてきね。

はあ〜〜〜。あとはごろごろのんびりしましょうね!

ラブエルがいたら女子トークできるチャンスだったんだけどなあ。

調べ物があるって来なかったけど、なんなのかしら?

ケモナは好きな子、いないの?」


「もにゃもにゃ。くぅ〜」


「ケモナったらもう寝てるし……寝息がもにゃもにゃ、かわいい。

浴衣がはだけてる……これ襲われちゃうやつでしょ!?

ほら、ちゃんと着なさいよ。

リュリュエル、電気消すね〜」


「フィスエル! 外に露天風呂があります!

一緒に入りましょう!」

「ひゃわ!? そんなのあるの!? 一緒に!?

エンジェル総務部からそんな話、聞いてない!」




「フィスエル、お湯加減いかがです?

ボクもおじゃましま〜〜〜す」


「……ちょうどいいわ(うううぅ! 女同士ならいいって言っちゃったけど、ほんとに一緒に入るの!?)」


「それじゃあ、失礼しますね!」


チャプン♪


「……うん(うひいぃ)」


「フィスエル、ワンピースな水着がかわいいです!

ですが、裸のおつきあいがしたかったです〜」


「……あんたのビキニもかわいくて、いいんじゃない?(心臓ばくばく! 裸じゃ死んじゃう!!!)」


「さっきから静かな感じでどうしたんです?

暗くてお顔がよく見えません」


「な、ななな、なんでもないわ!

……あのさ……こないだは助けてくれてありがとね(感謝してるわ)」


「こないだですか?」

「キモ眼鏡イケメン悪魔のことよ。

わたしとラブエル、二人がかりで全然かなわなかった。

どうやってやっつけたのか知らないけど、リュリュエルが来てくれてなかったら……きっと消滅してたと思う(くやしい)」


「そうでした! ボク、フィスエルにしたいことがあるんです!

ずっとあっちむいてないで、こっち向いてください!」

「……う、うん。何よ?(恥ずかしいぃぃ!)」


「エンジェ〜〜〜ルギフチュッ!!!」


ぷに♪


「へう?(ぷにって? くちびる!? ひゃはわわわ!?)」


「フィスエルのくちびるにチュ〜しちゃいました!

エンジェルギフチュの効果は一回きりですからね!

それになにより!

ボクの真ん中のファーストキスは、ベル様みたいな誰かに奪われちゃう前にフィスエルにもらって欲しかったんです!

ボク、お顔が熱くてドキドキうれしいです!」


「ふぁ? ファースト……キス!?

ふぇはわわわわわわわわ!?(真ん中って何!!!?)」


「あれれ? フィスエル?

全身真っ赤っかですよ? お顔が溶けちゃってます?

ふぃわわわ!?

お風呂にぶくぶく、のぼせちゃってますぅ〜〜〜!!!」

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