百五十五羽 ☆ リュリュエル、神力!

「とっても気持ちのいい朝ですね! さあ! そろそろ帰りましょう!

フィスエル? どうしたんです?

お顔が赤いですよ? のぼせちゃったの大丈夫ですか?」


「ひゃわ!? 顔が近い!

うるさ〜〜〜い! もういいから!」


「けも!? 子どもが危ないもな!

車にひかれるもな!?」


キキーーー! ドン!!!


男の子が車にひかれる寸前!

飛び出して身代わりになったお方が!


「たぬきよ!?」

「ケモナと仲良しになった、たぬきが子どもを助けたもな!

男の子は無事もな!」


「たぬきさんが血だらけです!」

「大変! エンジェルキュア〜! 効かないわ!」

「もう死んじゃってるもな!」


「いきなりエンジェリックア〜〜〜イ!

たぬきさんの魂がたった今、器から完全に抜けでちゃいました!

とっても清くて無垢なる魂です!

こうなったら!

異世界転生しちゃいましょう!

無垢なる魂よ 清浄なる清き魂よ 輪廻の輪を別断わかたち 新たな命を授かりたまえ!

エンジェ〜〜〜ル! リ〜ンカ〜ネ〜ション!!!」


降り注ぐ光のシャワー!


「「えええええええええええ!?」」



〜リュリュエルと駄肉女神様の精神世界


まったく。天使の分際で異性界転生までさせおって。

……神たる我と、おそらく思いはたがいないだろうと言いたいところじゃが

まったく、たぬきを転生するとはの

リュリュエル

お主、かりそめの神力が少しずつではあるが、自身になじみつつあるのを分かっとるのかの?

誰が神力代行資格証なんぞ、落としていきおったのか

しかもバッジなぞ、けったいな形にしおって

どこぞの神のいたずらか……あるいは……我に関わったこと後悔せんといいがの


☆ダメダメ駄肉女神様じゃないですか!


ダメダメってなんじゃ!?

下界でダメをアピールしすぎじゃ!


☆え〜、だって、ほんとのことしか言ってないですぅ〜!


ほんとってなんじゃ!?

それに我の乳は芸術じゃ!

ちゃんと乳バンドと育乳マッサージでピチピチじゃ!

は!? まあよい……のう、リュリュエル

お主は一見するとはちゃめちゃ、めちゃくちゃじゃがの、純粋かつ、何にも負けない精神は大したもの

多少の被害に目をつむれば、伴う実績は感服じゃ

ん? 一度だけへこたれておったが、拳のに救われたの

お主らの前世、人の業を二人で背負った、辛いがすぎる人生からくるものなのか、不憫ふびんなことじゃ


☆キッ!!!


そうにらむでない、黒き天使よ

お主があちら側にいってしもうた気持ちもわかる

我はお主に対しても寛容でおるつもりじゃ

のう、リュエル?


☆…………


おろかな神どもの……我らの尻ぬぐい

お主らのようなものにやってもらうのも面白い……悪くないかもしれんのう

だから、そう怖い顔をするでない黒いの

む、いかん! 天界エステに行く時間じゃ! さらば!


☆バイバイで〜〜〜す!

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