百四十八羽 ☆ リュリュエル、咆哮!

「リュリュエル!

あの黒い羽はなんだったんだ!?

ベルはどうなった!?

愛にかけて教えてくれ!」


「黒い羽ってなに?

そうよ! キモ眼鏡イケメン悪魔はどうなったの!?」


「ん〜〜〜? なんのことでしょ〜〜〜?

よく覚えてませんが! 倒しちゃいました! てへぺろ!」


「覚えてないのに倒したんかい!」

「だがしかし!?

……いや、かすんだ目で愛を見誤ったか?」


うおおおおおおおおおお!

離れた戦場から響く怒号!


「何よ!? まだ戦が終わってないの!?

でも、空の鐘はなくなってる!」


「みんな! 愛のない戦場に行くぞ!

悪魔を退けた今! 愛に誓って、なんとしても愛のない争いを終結させるんだ!」


「その前に! エンジェ〜〜〜ルバッグ!

でっかい絆創膏とエンジェル補修キットでみんなの体を直して、衣もきれいにしておきましょうね!」




「さあ! 魔王に打ち勝つために! 我らの国力を高めるために、支配するのだ! 殺せ!」

「わたしのねっぷり緊縛王子様! 素敵!」


騎士「俺たちの武勇は覇道を極め、魔王を倒す! みんな! 死んでも戦え!」

「ガルゥ…………」



「何よ! せっかく悪魔を排除したのに、怪しい目つきも、支配だの覇道だの、何も変わってないじゃない!」

「殺し合いが激化している! 愛を失ってしまった心は変わらないのか!?」


「え〜〜〜と? 確か、支配は多少のことでは解けないそうですよ?」


「そうなの!? どうしよう!?

わたしたちのエンジェルギフトじゃ、こんな大人数相手にどうにもならない!」

「愛のない争いが終わるまで、せめて愛をもって見守るしかないのか!?」


「やっぱりここはボクのギフトが出番です!」

「何か手があるの!?」


「はい! 魅了の音色に屈することなく!

一番お心を痛めていたあのお方に!」

「僧侶ちゃんね!」


「エンジェ〜〜〜ルギフト!」


騎士様が乗るドラゴンさんに降り注ぐ光のシャワー!


「「ドラゴン!?」」


騎士「リュリュエル!? 突然現れてどうしたんだ!?

俺たちの覇道の邪魔をしないでくれ!」


でっぷり魔法使い・むっちり武闘家「ひいはあふう……覇道〜」

僧侶「天使様! こんな殺し合いから、わたしたちを救ってください!」


「ドラゴンさん! 頭に失礼しちゃいます!

エンジェ〜〜〜ルテレパシー!

今回のあれこれを思念でお伝えしちゃいました!

愛する騎士様をはじめ! 愛の咆哮で、皆さんの目を覚ましちゃってください!」


「ガル! ガルガルガル!!!」

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