百四十七羽 ☆ リュリュエル、落差!
「わたしの一部を受けとっていただきありがとうございます!
魅惑のボディを貫通して穴が!
左脇腹を大きく破損させてしまいました!
それはそれで破滅的なお姿が、わたしの一部にビンビン、カチカチです!
体術は拳の天使様のものですか。
しかし、先ほどとはうって変わってまるで紙のようにもろい。
完全攻撃耐性に完全攻撃力無効と聞いてましたが。はて?」
洗練された杖術で振り回される錫杖!
音速を超える突きの連続!
「乙女の柔肌に穴を開けるなんて失礼です!
ぷんぷん!
反撃です! 覚悟してください!
フィスエル! 技をお借りします!
フィスエル流、奥義! 天極拳!
ア〜〜〜ンド!
シューティエルが蹴りの極致! 天蹴脚!」
燃える拳打! 四本の脚で繰り出す百連脚!
煌めく掌底! 天空ダブルかかと落とし!
四つの拳で繰り出す、四天拳! 連撃旋風脚!
怒涛の攻撃!
「ぬ!? うが!? ぐあああああああああ!!!???
ああ! 果てしなくビンビン!!!」
静寂。
「な……んという攻撃力。その技も見て覚えたとでも?」
「は〜い。覚えちゃいました!」
「紙のような耐久力にくらべて落差が激しすぎませんか?
これでもわたしは上位の悪魔。
いくら苦手な近接戦闘とはいえ、ほんの、ほんの少しの攻防でこんなにも……
黒き天使様の責めが甘美で、天にも昇る想い!!!」
右手は弾け、肩が崩れ、腹に穴が空き、左脚を失って、なお立つベル様。
ベル様の手からこぼれ落ちた錫杖が、宙空で溶けるように消えます。
「しかも……わたしの姿が恥ずかしい!
ギリギリきわどく衣服を器用に残して、何かに目覚めてしまいそうです!」
「きゃっ♡
ボロボロぎりぎり裸体なベル様もすてきです♪」
「そんな、うるわしの視線で視られるのもまた甘美!」
「とどめよ。
我が発する言の葉は 我の力へと昇華するものなり
聖なる大地よ 星の魂よ 我が拳に宿りて 我が天力と成せ!
聖星天崩拳!!!」
「わたしのすべてがビンビン! なんと甘美に美しい! あああ!」
恥ずかしいところもろとも、粉々になって闇と消えるベル様!
「絶対許さないって言ったわよ?
………………
さすがです! 大勝利!!!
フィスエルの仇をとりました!!!
あれれ? ボク、どうやって勝ったんでしたっけ?
覚えてるような覚えてないような?
ん〜〜〜。まあいっか!
フィスエル! 大丈夫ですか!?」
「う、うう…………
は!? リュリュエル!? 大丈夫!?
あいつは!? キモ眼鏡イケメン悪魔はどうなったの!?」
「フィスエル、大丈夫ですか?
痛くないですか?」
「ひゃわ!? ペタペタあちこち触るな!
大丈夫! 大丈夫だから! はん!
エンジェルフィスト!」
「ごふ!」
「へ? 倒れてピクピクしてる……珍しく効いた!?
ていうか、おなかに大穴が空いてるじゃない!?
あんたこそ大丈夫!?
あ! あんたのバッジ、なんでわたしが持ってるの?
ほら、これ!」
「とっても痛いです〜。
ボクのバッジ! あずかっていただいてて、ありがとうございます!」
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