百四十五羽 ☆ リュリュエル、交代!

「さあ、横になって。フィスエル見ててくださいね!」


「だめ……ちゃんということ聞いて…… 逃げて」



「わたしの一撃がまったく効いていないようですね?

美しい天使様。わたしはあなたとは仲良くさせていただきたいのですが?」


「いっやで〜〜〜す!!!

ん〜〜〜? 黒いベル様?

フィスエルにこんなひどいことしたなんて!

絶〜っ対、許しません!!!

フィスエル! 技をお借りします!

エンジェルフィスト百裂拳!」


「おお! ポカポカポカポカと愛らしくも美しい!

柔らかな刺激と振動が……ああ! わたしの一部にビリビリと感じます!」


「ベル様、さすがのボクもキモいです!!!

やっぱりボクの攻撃はダメダメですね。

近くに勇者様候補もいらっしゃいません!

ん〜〜〜〜、どうしましょう!

それじゃあ、交代しましょう。

…………

ダークネス……エンジェル!!!」


ぶわっ!


「なんと!

黒く輝く闇が! 右眼からあふれ出てるではありませんか!

左眼にも右眼と同じ輝きが! ミステリアス!」


「ワタシのこと……見たいと言ってたわね?」


「リュ……リュエル?

羽の形が……天使の輪と白い羽が……黒くなってく……金色の髪が、銀……色に……なんで……」


「ダークネスエンジェルブレインウォッシュ!

フィスエル……おやすみなさい」


「リュリュ……くぅ〜……」


「あとはワタシにまかせて。

そして、ワタシのことは忘れなさい」


パチンとバッジを外してっと。


「リュリュが大事にしている神代行バッジはワタシには邪魔なだけ。

フィスエルがあずかっていてください。

以前、人魚の都であなたを洗脳しなかったのはリュリュのやさしさ。

あなた、愛されてるわよ」


「ヒロインの窮地きゅうちに現れるヒーロー! いえ、ヒロインですね!

堕天したそのお姿。銀髪に黒いドレスも美しい!

それがあなたの真なるお姿ですか? 天使様?」


「なんのことです? 真も何も白いベル様が口説いたリュリュエルですよ? ベル様?

今のワタシはお嫌いですか?」


「とんでもない! 堕天使様でしたら、なおのこと! わたしの一部とわたしの全身全霊をもって感じたい!

今一度お聞きします。わたしと永遠をともになさりませんか?」


「ご遠慮しておきま〜す!

そ・れ・と! 堕天してるわけじゃないですよ?」


「ふむ。ではなぜ、そのようなお姿に? ダークネス……まさか……」


「何を想像してるんです?

それ以上は言っちゃダメですよ?

あんまり詮索すると殺しちゃいますよ?」


……うう、今なんと!? 殺すだと!? リュリュエルが!? リュリュエルが黒い!? 目がかすむ! 体が動かない! 愛が…… 愛が足りない! がく!


「なるほど。

正直よく分かりませんが、もしよろしければ和解という形で、改めてお近づきになるのはいかがでしょうか?」

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