百四十四羽 ☆ リュリュエル、一興!
「それではさっそく……あなたの心に契約という誓いの鐘を鳴り響かせましょう。
さすればあなたは永遠にわたしの……もの! ああ!
あなたの真なる姿を、このベルにあますことなく……さらけ出していただきたい!」
鐘のピアスを指で弾くベル様。
リィンリィンと強く甘々しい音色が、ボク……ワタシの耳に鳴り響く。
「天使様の美しいくちびるに口をつけること……お許しください」
「ベル……様♡」
上目で見つめて、くちびるが求める。
ワタシのあごに手をそえて、くちびるに触れようとするベル様の……
「……………………!
いやです!!!!!!
ボクのくちびるの真ん中はフィスエルのものです!
……フィスエル?? フィスエルが危険で危ない!
ベル様! バイバイです!
エンジェルワ〜〜〜プ!!!」
「真ん中とは?
多重結界を張っていたというのに、なんともあっさり逃げられてしまいました。
ふむ。少々、性急が過ぎたようですね。
ですが、力を測るのもまた一興。
そちらに行きましたよ、ベル。お願いいたします」
「聖なる大地よ 星の魂よ 我が拳に宿りて 我が天力と成せ!
聖星天崩拳!」
流麗な拳技を繰り広げる空中戦!
まるで瞬間移動な空での縮地!
突き出される手の拳と羽の拳!
ですが!
「きゃああああああああ!!!」
奥義かなわず! 非情な一撃!
羽が散って力なく、上空から急降下する傷だらけのフィスエル!
ラブエルはすでに気を失って、戦場から少し離れた地に伏しています!
地上に先回りして、とどめの一撃を狙うベル様!
地面に激突する勢いのフィスエルに!!!
ドスン!!!
ベル様の拳打が!
ボクの背中に突き刺さります!!!
「ふわっとギリギリ! ボクの腕の中にフィスエルをお姫様抱っこです!」
「おお! 魅惑の天使様!」
「フィスエル! 大丈夫ですか!?」
「リュ……リュリュエル……
なんで突然? 都合がよすぎ……」
「フィスエルのほっぺにチュ〜しちゃいましたからね!
エンジェ〜〜〜ルギフチュの効果です!
フィスエルのピンチには必ず駆けつけますよ!」
(三十八羽を参照してください!)
「あは……やっぱり変な効果がついてたじゃない。
ピンチってギリギリすぎ……来るのが遅いのよ。
なによ……その黒いドレス。
そこのキモ眼鏡イケメンといちゃいちゃしてたんじゃないの?」
「ボク、知っりませ〜ん!」
「どうだか……ごめん……わたしやられちゃった。
負けちゃったの……もう動けそうにないの。ごめんね。
あいつ、強い。逃げて……痛っ!」
「ふぃわ!?
フィスエルのおでこと肩にピシピシピシっとひびが入って血がたらり!
い〜え! 逃げません! 激に
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