百四十三羽 ☆ リュリュエル、永遠!

「耳のピアス! この甘美な音色! 白から黒に変化した愛を感じられないその姿!」

「キモい眼鏡イケメン大商人様……いえ、魔神の下僕がこんなところで何をしているのかしら?」


「わたしは、ベルシオーサ・ソウ。

混沌をもたらし、死を誘う鐘。

目的はもちろん、死者の大量生産です。

そのための商いであり、戦。

以後、お見知り置きを」


「ふん! 死の商人でも気取ってるの!

……じゃあ……リュリュエルは!?」


「ああ! ピュアでミステリアスな美しい天使様でしたら、このベルの腕の中!

もう、ひとときたりとも離しはしません!

取り戻しになりたいとおっしゃるのでしたら、バトル形式での商談はいかがですか?」


「ふん! 話が早いじゃない!

悪魔だったら直接介入も問題ないわよね!?」


「うむ! 愛にかけて問題ない!」

「ラブエル、やるわよ!」


「愛にあふれて無論!

しかし、愛を超える悪魔の上位種! 間違いなく愛があふれて手強い!

最初から、猛烈な愛を全開だ!」


「あいあい、ほんとうるさい。でもオッケー!」


「「エンジェルリミッター解除を申請!」」




戦の喧騒が遮断された、陽ざし穏やかで、バラ咲きほこるうるわしの庭園。


「ベル様! 隠し味がないのは残念ですが、このお菓子とってもおいしいです〜♡

お砂糖の代わりに、とある世界のワッサンボーンをお使いですね!

紅茶もさわやかに香気豊かで、ほのかな甘味を引き立ててくれています♪

庭園はバラの甘い香りに包まれて、とってもすてきです!」


「それはよかった! ……隠し味とは?

菓子職人も庭師もよろこぶというもの。

ご所望とあらば! 城を埋めつくすほどご用意いたしましょう!」


「もっとください♡」


「天使様と過ごすひととき。

ああ! このベルは! 身体の一部が天を昇って突き抜けるほどの幸せでございます!」


「ベル様、たまに発言とポーズがあれな感じです〜」


「さらに! わたしが厳選に厳選を重ねた! 小悪魔なドレスをお召しいただいて至福のよろこび!

金色のおぐしにスタイリッシュな黒。少し大胆が絶妙にうれしいデザイン! あなたのミステリアスな魅力を感じさせてくれます!

どうやら、わたしの心と一部はあなたに奪われてしまったよう。

いかがでしょう、天使様。

二人の出会いを永遠のものとして、わたしの心を受けとってはいただけないでしょうか?

そして、あなたの心を永遠に……このベルに、おゆずりくださいませんでしょうか?」


ボクの手をとって、かしずくベル様。

リィンと鳴り響く、甘美を感じる甘々しい音色。


「は……い♡」

「おお! 甘くとろけきった瞳が魅惑的! これはなんとよろこばしい!

わたしの一部も! ああ! とうとう、とろけきってしまいました!」

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