百四十羽 ☆ リュリュエル、甘美!

「わたしが!? うくっ!? ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って!

なにこの気持ち!?

かわいいリュリュエルを見てドキドキしちゃってる!?

かっこいいリュリュエルにもドキドキしちゃったし!

やっぱりもしかしなくても……どっちも!?

わたし! わたし〜〜〜!!!」


「フィスエル?」

「……無理! 無理無理無理無理無理!

もう踊り疲れちゃった! わたし少し休むわ! だから、ラブエルと踊って! ね!」


「愛があふれる俺にまかせろ! いくらでも愛のダンスに興じよう!」


「え〜〜〜〜〜〜〜!」

「やはり愛の気配を感じさせているだけに、俺では不十分なのか!?

愛ある心はむずかしい!」



リィンと鳴り響く、甘美を感じる音色。



「お取り込みのところ失礼いたします。天使な皆さま」


ボクたちの前に、存在感あふれる男性が一人。

深々とおじぎしちゃってます。


「何かしら?

わたしたちは王族でもなんでもないんだから。

いつまでもおじぎしてないで、顔をあげて名乗りなさいよ」


「恐れ入ります。それでは……

ベルシオーサ・ソウと申します。

ベル、と愛称でお呼びください」


「すっっっごい、眼鏡イケメン!!!

白く輝く礼装に、白い髪、白い肌がキラキラしてる!?」


耳のピアスを指で弾くベル様。

リィンと鳴り響く、甘美な音色。


「白い鐘のようなピアスの音色が、不思議と魅力を増している!

貴婦人たちの視線が熱々すぎて、愛の炎が燃え上がりそうだ!」


「おほめにあずかり恐縮でございます。

わたくし、周辺諸国の国々で商いを営んでおりまして」


「知ってるわ。何度か遠目で見たことあるもの。

でも、会うのははじめて……だったかしら?

しばらく前から幅を利かせてるわよね。

武器、防具、戦術兵器、兵糧、資材、民間商材、金融もろもろ、あんたの大商会が取り仕切るようになってるもの。

このパーティーもあんたの出資でしょ?」


「これはこれは! お知りおきいただいているようで恐悦至極にございます!

この機会にうるわしの天使様とも交流を深めさせていただきたく、御前に」


「所作が完璧! 穏やかな表情も合格! 眼鏡が品良くイケメンすぎない!」

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