百三十八羽 ☆ リュリュエル、優雅!

「ふふん! わたしの手をとってリュリュエル。リードしてあげるわ!

わたしの華麗なステップについて来れるかしら!?」

「ふぁわ!? ふぃわ!? ふぅわ!? ふぇわ!?」


「なかなかやるじゃない! もしかして習ったことある!?

じゃあ……これはどうかしら!?」


「ん〜〜〜〜〜〜……

じゃじゃ馬ダンスはダメですよ?

女の子は男の子のリードに素直に身をゆだねるものです!」


「ひゃわ!? ひへ!? え!? うそ!

リュリュエルうまい! 力強いリード! それでいて、わたしを柔らかく包むようなホールドが安心!」


「フィスエル、巻き巻きドリルが悪役令嬢みたいですね?」

「なんですって!? そこまでドリルじゃないわよ! わたしの拳、一発喰らいたい!?」

「そういうとこですよ?」


「う! リュリュエルのくせに〜!

……あ! あのね。マオくんとシャオちゃんに、てふてふのことなんだけど、わたし間に合わなかったわ! デモンズゲートに吸い込まれて、すぐに閉じちゃったの! どこに行ったかもわからないし!

リュリュエルを探してもエンジェルセンサーに反応なかったし! ごめんなさい!」


「そうですか。皆さんを見届けてくれてありがとうございます。

フィスエルからもらったアミュレット、なくしちゃったんです。だから謝らないでください。

心配ですが、マオ様たち四人ならどんな困難でもきっと大丈夫。

今はボクと二人、肌が触れるほどに近いんですよ?

さあ! ダンスを楽しみましょう!」


「う、うん……リュリュエルってこんなだっけ!?

肌がって……なんか……急に恥ずかしくなってきちゃった!

もう! 王子様にあこがれる令嬢じゃないんだから!

うぅ〜〜〜〜〜! 顔が熱いぃ〜〜〜!!!

でも……楽しい!!! こんなに気持ちよく踊れるなんて!」


ワルツ! クイックステップ! スローフォックストロット!

流麗な足運び! 力強いリフト!

空を跳ねるような躍動感あふれるステップ!

貴族たちを魅了するスローアウェイオーバースウェイ!

息をピッタリそろえて! 優雅なフィニッシュ!

盛大な拍手と賞賛が満ちる!!!


宮廷舞踏をだいぶアレンジしちゃいましたが、そのあたりは都合よく!

楽団の皆さんにもがんばっていただいちゃいました!


「フィスエル? 楽しかったですね!」

「は!? 三曲、あっという間に終わっちゃった!?」



「絶世の美少女ラブエル。ボクと一曲、踊っていただけませんか?」

「リュリュエルがひざまずいてラブエルに申し込みを!?」


「なひゃはうわぅおぅ、きゃう! 俺は!」

「ラ〜ブ〜エ〜ル〜!!! 深海都市でハナフーダ勝負にボロ負けしたの忘れた?」

(35羽を参照してね!)


「はみゃっ!」


「なんのことです?」

「あんたがヤミエルの精神攻撃をくらってたときのことよ!

実はね、負けたら言うこときくって勝負したの!

ね! ラブエル!」

「うみゅ〜〜〜。

……ひゃ、ひゃい〜……わた、わたくしゅでよろしゅければ……」

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