百三十三羽 ☆ リュリュエル、予感!

「愛にかけて待て!

魔人国の王とのことだが、もしや魔神、魔王にくみするものか!?

人族や獣人族などに愛のない害をなしたりはしないだろうか!?」


「魔神にも魔王にも興味はないわ。確かに魔族の血脈ではあるがの。

そもそも、人族らどもとは敵対しておらん。まあ、長い歴史の中で小競り合いは数えきれんし、仲良うすることもあったわ。ときには国盗りもの。

じゃが、あれこれおかしくなったのは、神どもが起こした神魔大戦のせいじゃ。

最初は静観しとったがの、いつの間にやら争いに巻き込まれ、二次、三次と何度も大戦を繰り返すうちに我がルゥノ国もウシャ国も滅んだのじゃ。

悲しいことよ」


「神が起こしただと!」


「デヴィ様! ナユ様! なにはともあれ、よかったですね!」


……システム復旧 被害状況報告 スライム核融合炉 時空間転移機能を残してほぼ全壊


「おお! スライムアーティフィシャルインテリジェンスのスラフィムちゃん、無事じゃったか! 信じておったぞ! 時空間転移機能も健在とは朗報じゃ!」


……デヴィ艦長の生存を確認 このうえない至高の喜び


「デヴィちゃん親衛隊もサイリウムダンスでキレッキレに応援してます!」


「スキル発動しとらんぞ!?」

「親衛隊の愛ある行動力がすばらしい!」


「わらわはうれしい! スラフィムちゃん! 我がクルーたち!

婿殿、バップの修復が完了しだい、ナユを連れて神どもに見つからんよう、しばらく身を隠す。

その、む、婿殿も来てはくれんかのう? 子作りしても、よよよ、よいぞ!?」


「ふわ!?

デヴィ様はまだお子ちゃまです! 大事にとっておいてくださいね!

ボクは新しい勇者様を探しに行きたいです!」

「そうか……それは残念じゃのう」


「二人の顔と想いが熱い! 新しく目覚めた愛の気配をビシバシ感じる!

リュリュエル、みんな! 今回の戦いについて……愛に誓って誰にも言わないでほしい! 街の住民にも徹底させる!」


「わらわもそうしたほうがいいと思うのじゃ」


「なんでです? フィスエルにもですか?」

「フィスエルにもだ! ……愛にかかわる嫌な予感がする! それだけだ!」


「は〜い。ところでラブエル。

衣がボロボロぎみでナイスで露出な感じになっちゃってますね!」


「ろしゅ!? なひゃはうわぅおぅ、きゃう!

ほんとだ! そ、そんにゃはわわ! あ! こっちも!

しゃ、しゃっきの戦いで!? 愛に集中しすぎて気がつかなかったよう……

ひゃ……ひゃずかしぃ〜」


「絶世美少女の羞恥なお顔がたまりません!」

「しゅう!? なひゃはうわぅおぅ! きゅう……」


「あれれ? 全なる父よ! ラブエルの衣を与えたまえ!

起きてください! 衣は新しくしましたよ!

ところでラブエル、突然こっちに来ちゃってよかったんですか?」


「は!? そうだリュリュエル! よければ俺と一緒に来てくれないか!

愛のかけらもない大変ことになっている! 俺とフィスエルに愛の手を貸して欲しい!」


「フィスエルも? いいですよ! ではさっそく行きましょう!」


「行っちゃうの!? いつも突然なんだから!

また働けるようになったら腹へりスライム亭においで! おごってあげるから!

リュリュエル! ラブエル! また会おうね!」

「プルプル!!!」


「プルプルスライムラーメン楽しみですね!」

「愛を満腹にしたい!」


「婿殿! 次に会うときは祝言じゃ!」


「ふぃわわわわわわ!?」

「愛がすばらしい! はっはっはっはっは!」



☆次回新章!☆

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