百二十七羽 ☆ リュリュエル、記憶!

「ま……守れた!」

「プルプルプル!!!」


「デヴィ様の空を感じる青い波状斬撃による迎撃!

ナユ様のスライムシールドで光子の矢をぬるっとくるっと反転!

ボクたちを守ってくれました!」


「ナユ! お主、なかなかやりおるではないか!」

「にひ! あたしじゃないの! スライムちゃんのおかげだよ! デヴィちゃんもすごいね!」

「プルプル!」


……被害状況確認終了 艦体損傷率33% 左スライムエンジン被弾 軽微に損傷 航行および戦闘能力15%低減


「おのれ! スライムスリープぼけしとったわ!

優秀なクルーがおってくれれば、こんなことにはならんかったのじゃ!」


「デヴィ様! 今こそ、ボクが授けたスキルを使うとき!

頭の中に浮かぶスキル名を! 友だちのボクと一緒に叫んでください!」


「なんじゃと!? ふ、ふはははは! おもしろい! ではいくぞ!」


「「スキル<マジでアイドル 魔人を愛する デヴィちゃん親衛隊>!」」


「ちょっと恥ずかしいんじゃが!?」

「愛の親衛隊! 俺の愛の波動にビンビンだ!」


「大きかったり小さかったり! 細かったり、太かったり! ぺったんだったり、ど〜んだったり! 10人の半透明で魔人な男女が現れました!

両手にサイリウムダ〜ンス!」


「なんと! わらわの記憶に残るかわいいクルーどもではないか!

目からスライムがこぼれ落ちそうじゃ!!! ポロリ」


「デヴィ様! エンジェルハンカチーフで、こぼれ落ちるスライムをぬぐってください!」

「婿殿……ほんとに惚れてしまうぞ?

者ども! 配置につけ! 戦闘開始じゃ!

……返事が返ってこん。話さんのじゃな!?」



……乗組員配置完了 および 充填率100%完了 照準合わせよし


「ギガスライム粒子砲! 撃て〜〜〜い!」


ブオン

ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!


……エンジェルオートマタによるウイングシールド展開確認 着弾


「うぅぅわあぁぁぁおう!!! とんでもない爆炎です!」



……約三割の消滅を確認 次砲充填まで要120秒


「ふはははは! よい! 続けて対空スライムミサイルを展開じゃ!

いや待て!?」


「ああ!? 弓矢をあたしたちの街に向けてる! なんで!?」

「スライム感あふれる街をおとりに我らを誘いだそうというのか!?」


「なんだと!? 愛にかけて黙って見ていれば、あの天使人形たちは何をするつもりだ!

愛がまったくないではないか!?

愛の営みを奪おうなど! 俺は許せん!」

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