百二十五羽 ☆ リュリュエル、禁断!

「アニィじゃと!? 兄上の血脈か!?

さようか……わらわ同様、天空から落ちておったのじゃな。

わらわは、一人無様な道を選んだというのに、兄上は自らの血に流れる真紅の一雫を残す道を……」


「ふぅわ! ナユ様の称号<古代魔人文明ウシャの末裔 天空から落ちる真紅の一雫>の秘密がいま明らかに!」


「それって……キミはあたしのおばさんってこと?」


「ごぶはっ!? おばさんじゃないわ! この体を見ろ! 子どもじゃ!

ふはは! 兄上め!

対立する両国の壁を乗り越えて、禁断の愛を成就させておったのじゃな!」


「出ました! 禁断の愛! このフレーズはもしかして、もしかしますよ!?」


「愛にかけて愛! それは永遠の愛のテーマ! 愛を成就させることが俺の生きがい!

愛の天使ラブエル! ここに参上! 禁断の壁を乗り越えたい愛はいずこに!?

ん? リュリュエルじゃないか!」


「やっぱり登場! お久しぶりです、ラブエル! 相変わらずの俺っ娘美少女ですね!」

「びしょ!? なひゃはうわぅおぅ、きゃう!

わ、わたし、美少女なんかじゃ、ひゃうぅ……

それで! 禁断の愛はいずこに!?」


「立ち直りが早い!」


「なんじゃ、こりゃまた暑苦しい天使が現れおった」

「天使!? すっごい美少女! かわいい! きれい! リュリュエルの友だち!?」


「かわ!? きれ!? なひゃはうわぅおぅ、きゃう! きゅう……」

「は〜い。お友だちで〜す。ほら気絶してないで起きてください!」


「おお! 今回の禁断の愛は女子二人か!

ん? 顔が同じ! 姉妹!? さらに禁断の愛を感じる!」

「この天使様、オンとオフが激しい!」


「なんじゃこやつは」

「この天使様、おかしくない?」

「プルプル?」

「ん〜? 大体いつもこんな感じでっす!」


ビー! ビー! ビー!


「何この音!?」

「なんじゃ!? 報告!」


……偵察用スライムドローンより警戒警報 映像展開


「天使ども!? いや、こやつらは……エンジェルオートマタ!」

「なんです? それ?」


「婿殿が知らんのも当然じゃ!

こやつらは……第一次神魔大戦から猛威を振るった初期型巨大天使人形じゃ!

とんでもない大軍をよこしおって! 空を埋めつくすようじゃ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る