百十五羽 ☆ リュリュエル、転移!

「はい! それでは皆さん!

お料理なら、ちゃ〜んとご用意してありますよ!

ボクの愛がたっぷり詰まったフカスシのフルコースをお召し上がりください!

テーブルにパパッと配膳!

鮫のお寿司にこんがりたたき! フカヒレステーキ、フカヒレスープ!

地獄の猛火ハバネロをふんだんに使った天国オリーブ香るフカ肉の小悪魔風ソテー! などなど!」


「「地獄はもういらないよ!?」」


村のみんな「何から何までありがたい!」

「いただきま〜す!」

「おいし〜、ん?」

「うま〜、ん?」

「なにこの揺れ!?」


ゴゴゴ……

ゴゴゴゴゴゴゴ!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!


突如、響き渡る轟音と激しい振動!!!


村のみんな「地面が揺れてるぞ!?」

「立ってられん!」

「みんな飛んで!」


「浮き島がどんどん崩れてくよ!」

「うわ!? 村も崩れてくぞ! コッコたち、逃げろ!」

「心を込めた隠し味たっぷりのボクのお料理が!?」


「一体、何が起きてるんだ!?

そういえばリュリュエル! パチパチぽちぽち、深部でなんかやってたよな!?」


「ボク、覚えてませ〜ん」


「ニィワ! 俺のそばにいろ!」

「トーリ! わたし怖い!」

「ばぶう!」

「ヒィロ? 何を指さしてるの? なにあれ!? みんな! あれを見て!」


「崩れた浮き島から浮き上がってきたのは……フカスシなんて目じゃないほどの巨大な建造物!

いきなりエンジェリクア〜〜〜イ!

あれこそはヤミエルが探していたもの!

この浮き島の遺跡に隠された古代文明の兵器です!!!」


「遺跡に兵器!? でも、土でほとんどおおわれていて、なんだかよくわかんないぞ!?」

「わたしたちが代々守ってきた遺跡って兵器だったの!?」

「きっと悪者に奪われないようにって、大昔にご先祖様が使命を受けたのね」


ブゥィ〜〜〜〜〜ン


「機械で奇怪な音を立てはじめました!

見てください! 土の塊をそのままに飛び去っていきます!」


ジジ! ジジジ! ジジジジジジジジジジジジジジジ!!!


「なんか変だぞ!」

「風の精霊たちが逃げてくよ!」

「なにあれ!? 空が変だわ!」


「あれは……異世界転移です! 空間に歪みが生じてます!!!

ワクワクな展開!

ボクもついてっちゃいましょう!

それでは、皆さん! バイバイで〜〜〜す!!!」


「行っちゃうのか!? じゃあこれ! 投げるぞ!」

「パシッとキャッチ!

なんだかとっても運が良くなりそうな、真紅に輝く四葉の宝石!」


「五つ採れたから、リュリュエルにもやるよ!」

「みんなでおそろいだよ!」


「うわ〜お! ありがとうございます! 大事にしますね!

バイバイで〜す!」


「じゃあな! ……消えた。

最初から最後まで慌ただしいやつ!」


「崩れるのが止まった! 少しだけど浮き島と村が残ってる!

コッコたちも無事だよ! よかった!

リュリュエルには感謝しかないね!」

「そうか? そうだな! これから大変だ!」


「なんとかなるわよ!

村が再建できたらリュリュエルの像でも建てちゃおうかしらね。

ねぇ、ヒィロ」

「ばっぶう!!!」



☆次回新章!☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る