百十三羽 ☆ リュリュエル、湯気!

「ふぅわ! フカスシが上手に斬り裂かれていきます!

とっても巨大なフカスシの開きができあがり!」


「みんな生きてるよ!」

「良かった! ほんと〜に良かった!」


「村の皆さん、フカスシのおなかの中でご存命でした!

鮫の消化するスピードは遅いとティーチエル先生から教えてもらった通りです!

フカスシはひと呑みにするのがお好みのようでしたから、皆さんほぼ大怪我はありません!

エンジェルキュア〜〜〜!」


「みんな胃酸で服がボロボロだよ!」

「あらら、ヒタキ姉ぇもあられもない格好だしな。コラーゲンな感じがぷるんぷるん」

「トーリ!!!???」

「うわ! ごめん! やらしい気持ちはないって!」

「ほんとに!?」


「だって俺! ……ニィワの裸以外、興味ないし……」

「ひゃうん!? えっち! あのその……もうちょっと大きくなったら……ね? いい?」

「もちろん!」


「何言ってるんです? お二人とも結婚しちゃったじゃないですか!」

「え!? あ! そうだった!」

「わたしたちって新婚さんだった!」


シュウ〜〜〜


「お二人ともトサカみたいにお顔が真っ赤で湯気たっぷり! 蒸し鶏幸せラブラブハッピーですね!」


「う、ううん……は! トーリ! ニィワ! 赤ちゃん!!!

うそ!? 村のみんながいる!」


村のみんな「う、ううん。生きてる!」

「は!? 服がボロボロだ!?」

「胃液くっさ!」


「おお! 我らが全なる父よ! 村の皆さんにかわかっこいい衣を与えたまえ!」


村のみんな「服が! 胃酸も消えた!」

「デザインが素敵!」

「今まで通り、動きやすくていいわ!」


「もともと露出感ある衣を着てらした皆さん! まったく動じてません!」


「一体どうなったの!?」

「まあ、なんとかなったんだよ!」

「赤ちゃんとリュリュエルのおかげだよ!」



コッコー村の村長「宴だ! 自ら親の仇を討ち! 村のみんなの命を救ってくれた二人の英雄と! 新たな勇者の誕生!

そして、勝利へと導いてくれた天使様に乾杯をしようと思う!

ろくな食い物も飲み物もないが楽しもう!

みんなグラスを持て! いいか? いくぞ! かんぱ……おっと忘れてた。

トーリ! ニィワ! 結婚したんだってな! おめでとう!」

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