百十二羽 ☆ リュリュエル、大空!

「つらぬ! けええ〜〜〜!!!」


次の瞬間!


「フカスシの脳天を貫いて!

大空にきりもみ、その身を踊らせるトーリ様!!!

きらりと太陽の輝きを受けるお姿がかっこいい!」


ズズズズズズズズズ〜〜〜〜ン!!!

浮き島の地に落ちる焼けた巨体!


「や、やったのか!?」

「やった! やったんだよ! トーリ!」



「くっ!? まさかフカスシが倒されようとは!?

おのれ! 赤子とはいえ、なんという勇者の力!

だがしかし! くはは! 赤子の精神なれば軟弱! 洗脳して我が配下にしてくれよう!」


「赤ちゃんを!?」

「くそ! 遠い!」


「喰らえ! フォーリンエンジェルブレイ……」

「エンジェルブレインウォッシュ!」


「ぐっはあああああ!?」


「白目に泡吹いちゃってますね!

ニィワ様! 赤ちゃんさんをお願いしてもいいですか?」


「う、うん! 抱っこするね!」

「こいつ、どうするんだ?」


「極寒耐性のタリスマンはもらっておきましょう!

チャチャっと緊縛! 大空に放り投げちゃいます! ポイっと!」


「一瞬! 遠い大地に落ちてくな」

「あ、スカイドラゴンに呑みこまれた!」


「はは! あいつも腹の中だ! ざまみろだな!」

「でも……ヒタキ姉ぇもみんなも帰ってこないもんね」

「ちくしょう!」


「う〜ん。それなんですけどねエンジェリックア〜〜〜イ!

やっぱりですね! ボク、ちょっと行ってきます!」


「フカスシの口の中に入ってった!?」



「とう! ヒタキお母様! 大救出です!」

「ヒタキお姉ちゃん!」

「口からどばんと出てきた!? ヒタキ姉ぇ、生きてるのか!?」


「はい! ご存命です!」

「良かった! 腹の中でも生きてたんだな!」


「トーリ様! ニィワ様! 出番ですよ!

みんなを救ってください!」

「え? みんな? ……そうか! そうなんだな!?

フカスシを槍で斬り裂く! ニィワ!」


「はい! 雷鳴轟かす雷の精霊よ! 槍に宿りて斬り裂く雷の刃となせ!

雷来刃雷らいらいじんらい!」

「ビリビリ! コッコー流槍術! 雷槍閃牙らいそうせんが!」

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