百八羽 ☆ リュリュエル、邂逅!

「もしかして、お前が怪物の封印を解いたのか!?」

「ほんとにみんな死んじゃったの!?」


「くふ! くはは! その通りだ!

これを見ろ! 遺跡に隠された封印を解くこの鍵を! おとなしくよこして逃げていればよかったものを!

わざわざ戦う道を選ぶなど愚か!

くは! 結局、腹をすかしたこいつのエサになったとは思うがな!

お前たちも餌食にしてくれる!

ゆけ! 魔王が配下、吹雪く寒獄スカイシャーク! 略してフカスシよ!」


「リュリュエル、起きて!」

「ふわい? ふわ〜、おはようございます〜。

フィスエルは? あれ? うれしい夢でした〜」


「リュリュエルだと!? まさか……でたらめ天使か!?」

「あれ? 皆さん、どうしたんです? どちら様でしたっけ?」


「どうしたんですじゃないよ!?」


「ヤミエルだ! 永遠のライバルを忘れるな!」


「めんどくさいので覚えてませ〜ん」

「くっ!? さすがに覚えろ!? 三度目の邂逅かいこうだぞ!?」

「三度目のあいこ? なかなかな偶然ですね?」

「じゃんけんじゃないわ!」


「のんきなこと言ってる場合じゃないよ!」

「あの化け物を見ろ! なんて冷気なんだ!」

「でも、あんまり寒くないね? 心地いいくらい?」

「これってやっぱりあれのせいだよな」


「くはははははははは! 何を強がりを!

フカスシは全身から放つ冷気で近寄るものすべてを凍りつかせ、その牙ですべてを呑み込むのだ!

この俺とて! 極寒耐性のタリスマンがなければどうなることか!」


「ふぅわっ! でっかい鮫さんです! かっこいい!」


「かっこいいじゃない! あいつが村のみんなを喰っちまったんだ!」

「逃げようよ!」


「さっきのあいつの速さ見たか? 俺たちの飛ぶ速度じゃ逃げられない。

いや、そんな小さなことはどうでもいい……俺は戦う!

ヒタキ姉ぇとみんなの仇をとるんだ!」


「トーリならそう言うと思った……それならわたしもサポートする!

わたしだってみんなの仇をとりたいもん!」


「ニィワ……いいのか?」

「うん! 生きるも死ぬも! 大好きなトーリと一緒だよ!」

「俺もニィワのことが大好きだ! 愛してる! 今すぐ結婚してくれ!」


「やっと告白してくれた! これでわたしはトーリのお嫁さんだね!」

「ごめんな、新婚早々こんなことになって」

「いいよ♪ トーリと一緒なら」


「よしいくぞ、ニィワ!」

「はい! リュリュエル、赤ちゃんよろしく!」

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