百三羽 ☆ リュリュエル、突然!

「え? と〜〜〜ってもおいしいわよ!」


「激辛ファイアブレスにまったく動じてません! さすが戦乙女!」

「ヒタキ姉ぇはもう乙女じゃないだろ?」

「ムンムンすぎて、もう乙女って感じしないよね?」


「二人とも意味わかって言ってる?

おなかの赤ちゃんにも良さそうね!

ありがとうリュリュエル!」

「え? ほんとになんともない?」


「ちゃんと妊婦さんのために絶妙に仕上げてます! ボクの愛情をたっぷり込めてますからね!

おなかをなでなでしてもいいですか?」

「ええ! もちろんいいわよ!」


「ええ? こいつになでさすの? 大丈夫かよ?」

「トーリってば心配しすぎじゃない?」


「なでなで。なんだかとっても安らぎますぅ〜」

「ふふ。リュリュエルの頭もなでなでしちゃうわ」


「ふわ……お母様になでなでされてるみたいでうれしいです〜。

なでなで、もっとお返しです!!!

なでなでなでなでなでなでなで!」


「……う! おなかが! 生まれる!」


「ふぇわ!? どどど、どうしましょう!?」

「なんで突然!? やっぱりお前のせいか!?」


「助産師のおばあちゃんを呼ばないと!」

「ボクがお連れします!」

「頼む! ニィワ、教わっていた通りにタオルを用意してくれ! 俺は湯を沸かす!」

「待って、リュリュエル! 場所、教えるね!」


「ぐるっと360度エンジェリックア〜〜〜イ!!!

助産師さん発見!!!

エンジェルワ〜〜〜プ!!!」


「「「消えた!?」」」

「お連れしました!」

「「「一瞬!?」」」


「お前、何もんだよ!?」

「10級見習い天使のリュリュエルで〜す!」


「おや? あたしゃ、どうしてここにいるんだい?」

「食事中だった! フライドチキン両手にもぐもぐしてる!」



「あとはおばあちゃんにまかせて大丈夫だって!」

「お前ってほんとに天使なんだ。リュリュエル、その、いろいろ言ってごめんな」

「おばあちゃんを連れてきてくれてありがとう!」

「どういたしまして! もっとボクを頼っていただいてもいいんですよ!」


「それじゃあ……よかったら一緒に遺跡のダンジョンに入ってくれないか?

あるものを探しに行きたいんだ。ばあちゃんの話じゃ生まれるのは今日遅くか明日らしい。それまでに帰ってきたい」

「ほんとに行くの!? トーリ!」


「遺跡のダンジョン! とってもワクワクです! 今すぐ出発で〜〜〜す!」

「判断が早い!? 準備があるからな!?」

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