九十七羽 ☆ リュリュエル、大逆転!

「なんかすごいのはわかった!

でも痛いの嫌だからフェアリーリング、はずしていい!?

ええ!? はずしたいけど、はずれないよ!?」


「肉体と融合しちゃってます!

古代文明の遺物みたいですね!」

「うそ!? 痛たたたたたたた!?」

「てふてふぱうだ〜」


「ありがとう、てふてふ! あいたたたたたたた!?

すっきりしないよ!?

もうだめ! せ〜まちゃんを持ってられない!

助けて!」

「てふてふ〜?」


「あれれ〜? マオ様、ふらふら倒れちゃいそうで、巨大なせ〜まちゃんもふらふらです!」


「マオ様! すぐおそばに! わたしの愛を口にふくんでください!

スキル<のものを支える癒し 世界樹の雫>!」


「シャオ様の指先から、ぴゅるんと聖なる一雫がマオ様のお口にずぼっと!」


「ごっくん! すっきりさわやか!

シャオが癒してくれたの!?」

「はい! 世界樹の恵みをいただいた癒しのスキルです!」


「すっきりさわやかはいいけど、あれ見て! 魔軍が隊列を組んで押し寄せてくるわよ!

今の一撃、なんで魔軍に向けなかったのよ!?

けっこう倒せたんじゃない!? 今すぐ攻撃しなさいよ!」


「うお!? シュルシュルっと元の大きさに戻っちゃったよ!?」

「繰り出せたのはたったの一撃! 一瞬でしたね!」

「でしたね! じゃない! 無駄な攻撃してどうすんのよ!?」



ズ…… ズズ……

「なに? この音? 地震?」


ズズズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

唐突に起こる地響き! 何かが崩れる音!


「て、天宙世界樹が!?」

「倒れるわよ!?」


「リュリュエルさん……もしかして俺が斬ったのって……。

それで目隠ししたの!?」


「はい! ご名答! 天宙世界樹でっす!

天を貫くごん太の! 世界樹が倒れる様子はまさに圧巻!

絶妙斜めな角度と剣風があいまって!

大質量が信じられないほど勢いよく! あっという間に倒れていきます!

マオ様の挑発のおかげで、社畜な長蛇の隊列はきれいなまま!

さあ! 魔族、魔物の皆さん! 喰らってください! 

いっけ〜〜〜〜〜!

天宙世界樹落とし〜〜〜〜!!!」


みんな「ええええええええええええええ!!!???」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!


逃げ惑う魔族魔物の大軍勢!


ズズズ、ズ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!


魔軍「ぎゃあああああああああああ!!!」


「地響き、土ぼこりとともに!

魔軍のほとんどを押し潰しちゃいました!

まとめて一気に盛大、大逆転!」


ドライアドたち「ぽかーん」


「めちゃくちゃがすぎるわ!!!」

「世界を守る聖なる天宙世界樹が……」

「なんかごめんなさい!!!」

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