九十六羽 ☆ リュリュエル、膂力!

「マオ様、ちょっと失礼、目隠ししますね!」

「ええ!? なになに!?」


「では! 剣を構えたまま!

頭に思い浮かんだスキル名をせ〜まちゃんの代わりに叫んでください!」


「わかった!

ウェポンスキル<愛すほど暴走 真実の愛の創造>!

うわ!? お、重い!? めちゃくちゃ重くなってく!」


「こわっ! 鼻先通りすぎていったわよ!?

ちょっと何よこれ!?」

「マオ様! りりしいお姿がかっこいいですわ!」


ドライアドたち「うわあ!」

「何これ〜! ごんぶと!」

「すっご〜い! 立派!」


「なになに!? 何が一体どうなってるの!?

目隠しとっていい!?」


「ダメです!

マオ様、こっち向いて構えてください!」

「ダメなの!? こ、こうでいい?」


「角度をもっとつけて! そう! いい感じ!

さあ! いつもの必殺技をかましちゃってください!」

「わかった! いくぞ!

聖魔剣スラ〜〜〜ッシュ!!!」


ズバアアアアアアアアアン!!!


シャオとドライアドたち「きゃあああああ!」


「ものすごい剣風よ! 飛ばされないようにつかまって!」

「振り斬りました! とんでもない膂力りょりょくに剣圧です!

剣風が予期せず、すばらしい効果を生んでくれそうです!

マオ様、お見事でした! 目隠し取りますね!」


「うわっ!? せ、せ〜まちゃん!?」


「とっても太く! とっても長く! 誰もが憧れる黒光り! 聖魔を感じる輝き!

ほれぼれするほどの超超超! 巨大な大剣になりました!」


「巨大って、剣先が遠い! どんだけ長くて、でかいの!?

持てるけど、くそ重たい!」

「数年にわたるマオ様の苦行の成果ですね!

重たいなんて言ったら、せ〜まちゃん傷ついちゃいますよ?」


「また苦行って言った!?

ん? 痛、痛たたたたたたたた!? 骨が、筋肉が、脳みそが!?

今までで一番痛い!

前よりもどんどんダメージでかくなってるよ!?

だめ!? 俺もう死んじゃう!?」


「駄肉女神様の授けたスキル<精神力増強>!

妖精女王様からもらったフェアリーリングの効果、精神力ステータス変換で全ステータスがとんでもなく上昇!

毎日のようにボクのダシが効いた聖水お風呂♡でデトックスなパワーアップ!

せ〜まちゃんのパワーアップした真実の力!

何よりも! 経験値カンストなマオ様!

数年にもわたる苦行の成果によって、ご自身の実力とステータスが上昇したおかげ!

心も体もすばらしくお強くなっちゃいました!」

「心強い!!!」


「マオ様、ほれぼれするほどかっこいいですわ!」

「ほれぼれ〜」


「それだけに! せ〜まちゃんの魔剣効果によって! ご自身に受けるダメージもとんでもないってことですね!」

「心がつらい!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る