八十八羽 ☆ リュリュエル、苗木!
「エンジェルよいしょ〜!」
「ふぇあり〜よいしょ〜」
「種が重すぎて、一ミリも動きません!」
「おも〜」
「いよっと!」
「ふぅわっ! こんなに巨大で重そうなのに軽々ですね! マオ様!」
「確かに。だいぶ力がついたのかな?」
「いきなりエンジェリックア〜〜〜イ!
うわぁ〜〜〜おぅ!
妖精女王様からもらったフェアリーリングの効果もあって、ステータスがどれもこれも上限突破してます!
何年もフォレバストで最恐魔獣たちを相手にした苦行の成果ですね!」
「苦行! もうぶっちゃけてない!?
ステータス上がってるの!? 攻撃すると前よりも痛くなるんだけど!?」
「シャオ様、この種はどうするんですか?」
「話をそらした!?」
「ほとんどは肥やしになるよう聖力に変換します。天宙世界樹とフォレバストを守るための糧となりますが、もしものときのために苗木も育てています。
あそこの畑にあるのがそうですね。
ですが、次代を担えそうになるまでには、なかなか成長しておりません」
「世界樹の苗木、かわいいですね!」
「かわいいって、双葉が二階建ての家並みにでかいぞ!
中でも、このひねくれた感じの苗木がすごいな」
「困ったものです。
この苗木は、聖力ばかり欲しがって、成長も枯れもしないまま、ずっと居座ってるのです」
「……………」
「リュリュエル、ひねくれ苗木がどうかした?」
「なんでも、あっりませ〜ん」
「リュ〜リュッエルッ! だ〜れだっ!?」
「突然、ボクの背後からおめめを羽の拳で隠すのは……フィスエルですね!」
「なんだ〜、すぐバレちゃったわね!
ヤッホ! 元気にしてる?」
「珍しくごあいさつが暴力的じゃなかったですね、フィスエル。どうしてここに?」
「いつもじゃないと思うけど!?
だって……心配だったのよ。ほら、昇級試験のとき、あんた大変だったじゃない?」
「フィスエル大好き〜〜〜!」
「ちょっ! 抱きつくな!」
「あったか〜い! いいにおい〜〜〜!」
「ひゃわ!? くんくんしないで!?
はう! こそばい!?
だめ! はわ!? ひゃうん!
も、もう、やめてっ! はふ!?
超至近距離……零式エンジェルフィスト!」
「ずっとくっついてたいですぅ〜」
「ノーダメ!? こんの〜〜〜!」
「いちゃいちゃするなら、よそでやってくれない?
目の毒!
……いや、この数年を思うと、目の保養かも?」
「ひゃわ!? い、いいい、いちゃいちゃしてないわ!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます