九十羽 ☆ リュリュエル、異世界!

「あはははははははははは!

とうとう、たどり着いたわ! 天宙世界樹!」


「いきなり誰です!?」


「黒い翼に天使の輪! 女の堕天使よ!

両脚が真っ黒! 

鍛えられた脚が丸見えな、きわどいドレス! こいつ!?」


「天使が二人! 

それに……天使にもてあそばれるおバカなお勇者様か?」

「お勇者!? 変態とかおバカとか失礼多くない? 俺、泣いちゃうよ?」


「フォーリンエンジェルアイ!

はは〜ん! あんたニポーンとかいう国、異世界から来たやつだね。

名前はマオ・ウォタースゾ……じゃない、真名はささきひろし……さえないわね?」


「さえなくてごめんね!?」

(全国のささきひろし様! 本当にごめんなさい!)


「多いんだよね〜、ニポーン人。そんなに異世界好きかねえ!」


「来たくて来たわけじゃないですけど!?

死んじゃったから戻れないし!」


「死んじゃったね〜?

……同情するよ。かわいそうに神なんてものに、いいように利用さちまってさ…………。

どの世界もくだらない! 

あたしが全部ぶっつぶしてやる!

まずは見な! 

この<魔神力行使代行一回券>を!

この世界の存在を次元的に確立させる一助、天宙世界樹を切り倒してくれるわ!」


「魔神力代行? 何あのチケットみたいの?

なんかどっかで見た気がするフレーズ!」


「半券ビリビリッと!

はっあぁぁぁあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

深淵なる闇よ! 穿いて裂けよ! 

来たれ、奈落の門!

フォーリンエンジェル!

デモンズゲート〜〜〜〜〜!!!」


「大森林の真上に巨大な黒い渦がいくつも現れました!」

「めちゃくちゃおどろおどろしてる感じ! なんだあれ!?」


「あれって魔界領域とつながるゲートじゃないの!? 魔族や魔物が押し寄せるわよ!」


「ちっ! 聖域の結界のせいで、だいぶ距離があるな」


「なんだかよくわかりませんが、いきなりハイテンションな急展開!

マオ様、出番です!」


「出番て冗談だろ!? 見ろよ! 渦から降りてくるあの大軍! 俺一人でどうやって相手しろっていうんだよ!?」


ドライアドたち「きゃあああああ!」

「わたしたち死んじゃうの!?」

「どうせ死ぬなら戦おうよ!」

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