九十一羽 ☆ リュリュエル、綻び!

「マオ様! シャオは怖いです!」


「シャオ! みんな! ……うん、そうだな。弱音を吐いてる場合じゃない……。

俺がキミを守る!!! ドライアドたちも天宙世界樹も全部だ!」

「マオ様、素敵でございます♡」


「くぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

ドラマチック!

マオ様、シャオ様、かっこいい! さすが、妖精つきの聖魔剣勇者様!」


「てふてふも〜、まおといっしょにがんばる〜、まぞくたべる〜」


「魔族も食べちゃうの!?

かわいい、どストライクな美少女のピンチ! ここでがんばらなかったら男がすたる!

絶対! シャオたちを守ってみせる!」


「ああ、マオ様! わたくし、天にも昇る思いです!」


「お姫様、マオくんへの愛が止まらないわね!?」

「いっそのこと、男耐性レベルMAXにしちゃいましょうか?

そして、せ〜まちゃんがやきもち! またもお二人の間に割って入って真っ赤っか!

だいぶご立腹のご様子!」


「せ〜まちゃんも魔族に怒ってるんだな!

シャオ、行ってくる。俺がキミたちを守る!」

「はい! いつまでもお待ちしています! ……ご武運を!」


「リュリュエル! わたしたちもやるわよ!」

「え〜。めんどいで〜す!」

「めんどい言うな!」


「あはははははははははは!

たった三人と非力なドライアドで何ができる! この大軍勢を見ろ!」


「とう! 上空から見下ろすと……世界樹の南側! 隊列をなして大森林に大行列な大軍勢! とんでもない数! もはや最後尾が見えません!

これだけ巨大な世界樹を倒そうというのですから、当然かもしれません!」


「よく見なくても、でかくて重そうな肉弾系の魔族魔物ばっかり」


「まだだいぶ離れてるが、迎えうつんじゃ間に合わない! こっちから攻め込む!」


「エンジェ〜〜〜ルウイング!

ドピュッとビューンとボクがお送りします!」


「よし! せ〜まちゃん! てふてふ! いくぞ!」

「わ〜い」

「遊びに行くんじゃないからね!?」


「マオ様! てふてふ様! がんばってください! シャオは応援しています!」




「ねえ、あんた!」

「おい、てめえ!」


「なによ!」

「何だよ!」


「多重結界があったはずでしょ? わたしたち天使ならともかく、堕天使のあんたがどうやって侵入したのよ?」

「はあ〜!? そんなの知らないさ! 結界のほころびから入ったまで!」

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